2009年12月19日土曜日

「百姓」とは何か その2

農政の動きが激しくなる中、
金融機関向け専門誌への関連記事の出稿や
農業ビジネス専門誌の作業に追われています。

最近改めて圃場を見たり、
農業経営者の方に会うたびに
感じること、それは「誇り」。

農村社会への憧憬と
食文化の楽しさだけを追い求める
「ひるどき日本列島」など
テレビに映し出されてきた世界とは
一線を画した真剣勝負の
零細・中小企業、ベンチャー企業の匂いがする。

網野歴史学が古文書で再会した
江戸時代の“百姓”たちは
今も生きているのだと思います。

いまさら「農商工連携」なんて言葉を使うけど、
その連携を政策的にずたずたにしてきたのは
いったい誰だ。

自分が農家の経験がないもんだから
最近、恥ずかしい。

僕が子供の頃、農家の倅が、
農業を恥ずかしいと言っていたっけ。

これからは「商工優位」の農商工連携ではなく
「農優位」の農商工連携。

企業が安直に圃場に進出してくる前に、
農業経営者たちが起業家として
経済のど真ん中に攻め込んでいってもらいたい。

それが江戸時代から続く
日本の“百姓”の姿だと思うのです。


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2009年12月14日月曜日

「百姓」とは何か

最近、仕事の合間の気分転換に、30分ほど歴史家の網野善彦の著書をめくっています。
近代歴史学に衝撃を与え、歴史教科書にも影響を与えた『日本の歴史』全26巻(講談社2000年)です。この中で、一番エキサイティングなのが00巻の『「日本」とは何か』です。

網野氏は、江戸時代の奥能登・輪島で、当時の「農家」が、船商売で大きなビジネスをしていたこと証明する古文書を発見しました。当時、サハリン南部にまで交易圏が広がっていて、金融業も営んでいたというのです。

さらに、その勇敢な船乗りは「下人」と呼ばれていた民。ダイナミックな事業を様々なタイプの民が入り乱れて担っていた日常が目に浮かびます。専門職として中小企業に雇用されるような、人材の労働市場もあったのではないでしょうか。

農業従事者の占める人口比率の定説の引用元を突き止めて間違いを論考したり、襖の下張り紙に隠されていた古文書の研究も引用されていました。なにしろ、手にとって読んでみることをお勧めします。

まるで推理小説を読むように、今日いわれるところの一次産業、二次産業、三次産業を「百姓」とよばれた民が担っていたという事実が解き明かされていきます。

200年後の現代日本。全国で地域経済活性化事業に注目が集っていますが、特に「農商工連携」という言葉をわざわざ使わなければならないことに苛立ちを覚えます。


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2009年12月13日日曜日

200年前の武家屋敷

年の瀬が近付いてきましたが、取り急ぎひとつお知らせです。
200年前の武家屋敷の利用希望者を募集します。
詳しくはこちらからアクセスしてください。


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2009年11月25日水曜日

世界に夢を与える「町おこし」は、夢じゃない

先日、地方のあるテーマパークを取材しました。全国にもいくつもある、いわゆる「食と農のテーマパーク」です。広大な敷地に点在する観光施設と、豊かな里山・農村環境を融合させた事業を推進しようと、走り始めた経営者が印象的でした。

もともと第三セクターが運営していましたが、その事業を引き継ぐ形で、事業再生をめざして、彼は突き進んでいます。地域経済活性化のモデルとなり得るものを目指すといっていましたが、世界を視野に入れた事業になることを期待します。

原稿をまとめてばたばたしていると、ふと、おもしろい記事をネット上で発見しました。

「世界に夢を与える『町おこし』は、夢じゃない
『私的公益資本』による住民主導の都市計画」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20091118/210048/?P=1

以前、このブログで、「解散総選挙でどうなる日本」と題して、
「市場公募地方債と町興しファンドブーム 」について挙げました。
http://themostagricultural.blogspot.com/2009/07/blog-post_7054.html 

地方債については、中央政府の干渉がどこまで緩和されていくのかにかかっているし、古いしがらみから抜け出るのはなかなか難しそうですが、リレバン主導の民間ファンドの可能性は計り知れないものがあると改めて感じました。


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2009年11月21日土曜日

外房黒潮ライン ミステリー ウオーキング    千葉・外房で、名探偵になる!

【イベント告知】

千葉県の太平洋に面した、いすみ市、勝浦市、鴨川市。この外房の3市で、謎を解きながら、地域の魅力を発見できるウォーキングイベントを開催します。

房総の潮風の中を歩けば、「体」にいい。

ミステリーを解決するから、「脳」にいい。

晩秋から初冬のこの時期、千葉・外房に足を運んでみては。参加者には豪華景品も用意されています。

◆「外房黒潮ラインミステリーウオーキング」開催期間:
 2009年11月21日(土)~12月20日(日)

【詳細・問合せ先】

JTB法人営業上野支店 地域活性推進プロジェクト
TEL/03-3842-5430
定休日/土日祝日
営業時間/9:30~17:30
JTB法人東京 法人営業上野支店 地域活性推進プロジェクト
http://www.jtb.co.jp/SHOP/ShopOther.aspx?shopid=378&branchno=18

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 このイベントは、イーネット・ブレーン顧問のコンセプトデザイ ナー、廣川州伸氏がプロデュースします。 廣川氏は、地域の魅力を発見できる新しい旅の形として、全国で「ミステリーツアー」の開催をプロデュースしています。
イーネット・ブレーンでは、廣川氏をサポートし、全国各地での「ミステリーツアー」開催を支援しています。

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<NPO法人日本ビジネス作家協会・公認メールマガジンより>
「ビジネス作家通信-仕事で幸せになろう!」
 怒涛の365日連続第294号
(2009年11月21日号/ID0000281725)
発行:コンセプトデザイン研究所所長
作家・廣川州伸


◇今日から「外房黒潮ミステリーウオーキング」がスタートします。いつものように、メルマガの読者のみなさんに、こっそり(?)問題をお知らせしておきます。

★鴨川市

あなたには、鴨川市の謎が 解けますか?

 ある日、千葉県鴨川市に詳しい人が、こんな謎めいた言葉を残したまま、散歩に出たという。

『鴨川市にある太海海岸。明るい日差しをあびて散策をすれば、潮騒につつまれ、なんだか幸せな気持ちになる。たっぷり歩いてお腹が空いたら、□□□□ を食べよう。そう、ここは楽園なのである』

名探偵諸君。

 以下のヒントを読み、いすみ市にある「4ヶ所のミステリーポイント」を歩きながら「ヒント」を集め、謎の言葉を探してみよう!

1 ペンション「うみの星」

 あなたがまず向かったのは、ペンション「うみの星」。そこは、眩しい南房総の暖かな空気がうれしいアットホームなペンション。玄関には「はなとうみ□テーマ」と書かれた札がかかっている。

 目の前の海岸を散策すれば、懐かしい昔に戻った気がする。黒潮の恵みによる新鮮な地元の魚を中心にした「お刺身盛り合わせ」などのメニューがある。

◇謎の数字◇
 お刺身盛り合わせは「じもとさんとくせんぎょ」を使う。それを漢字にした文字数は?

2 鰹節「松葉屋」

 次に向かった松葉屋は、明治初期の創業以来、直火焼製法にこだわり、百有余年を越えて業務用かつお節の問屋として愛されている。

 松葉屋の削り節は、昔ながらの製法にこだわり、火であぶって「やわらかく」して粗削りにするのが特徴。油節の少ない理想的な削り節だ。

 鰹節は鹿児島県枕崎産、宗田節は高知県土佐産、サバ節は当地である千葉県房総産を仕入れ、安定した供給体制を整えている。

◇謎の数字◇
 こだわりの「鰹節の問屋」。鰹を平仮名にした文字数は?

3 香指神社

 あなたは、海を見下ろす高台を目指して香指神社に向かった。神社の祭神である「おとたちばなひめのみこと」には、夫の「やまとたけるのみこと」を海難から救うため、荒れ狂う海に身を投じて鎮めたという伝説が残っている。

 彼女が身を投じたとき、髪を飾る簪(かんざし)が波で運ばれ、波太(現在の太海)浜に流れ着いた。それが時を経て、神社に祀られるようになったといわれている。

◇謎の数字◇
 境内のどこかに「○雲神社」の文字がある。その「○」という数から「7」を引いた数は?

4 名勝「仁右衛門島」

 続いて向かった仁右衛門島(にえもんじま)は千葉県指定の名勝で、太海浜の目の前の海にぽっかり浮かぶ個人所有の島である。昔から平野仁右衛門の一戸だけが住んでいることから「仁右衛門島」と呼ばれるようになった。現在も、二丁櫓の手こぎの渡し船で、島に渡っている。

 この島の歴史は古く、一説によると、治承四年(一一八○年)石橋山の戦に敗れた源頼朝が安房に逃れて来たときに、島主の先祖がかくまったことから、そのお礼に島を与えられたといわれている。

 源頼朝が夜襲をさけて身を潜めたと伝えられる洞窟には、「正一位稲荷大明神」が祀られている。仁右衛門島内の食堂では地元産のさざえ、鴨川特産の長狭米(ながさまい)のコシヒカリを使用した「さざえ丼」が楽しめる。

◇謎の数字◇
 この島を示す「ふうこうめいび」を漢字で書くときの文字数は?

5 太海フラワーセンター

 四季折々に、約二千種の、色とりどりの花が咲き乱れる太海フラワーセンター。園内には、いっぱい集まった花で時を告げる「花時計(はなどけい)」

 南方の植物を集めた全天候型の温室、海の釣り堀、犬猫ランド、展望レストランなどがあり、観光客に人気。

 太海浜は別名「浜波太(はまなぶと)」と呼ばれている。センターの潮騒市場・藤よし太海フラワーセンター店には、新鮮な魚貝類を使う「おらが丼」がある。

◇謎の数字◇
 「潮騒市場・藤よし太海フラワーセンター店」で食べられるオリジナル丼「なぶと丼」を漢字で書くときの文字数は?

★お土産は、何といっても干物!

★大ヒント 謎を集めると

「ステキな柄のユカタきて、かもがわ音頭を たのしもう!」
漢字に注目し、その読み仮名を並べ替えると、解答にたどりつく。


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2009年11月18日水曜日

21世紀型寺社事業

イーネットブレーンでは、「21世紀型寺社事業プロジェクト」の準備を進めています。

お寺と神社は、全国に7万5000あるといわれていますが、その多くは、明治以降の廃仏毀釈・神仏分離政策によって、伝統的な収益モデルが疲弊し、新たなビジネスモデルを構築できないまま衰退の一途をたどっています。

住職のいない寂れた寺、一人の宮司が何箇所も兼任せざるを得ない山中の神社・・・。こうした現状を見過ごすと、地域経済の資源も地盤沈下を起こすでしょう。

今後、地域の経済・文化のネットワークの主体として、寺社事業の再構築を目指します。

プロトタイプの第一号案件は、まず関東地方から。全国各地でカスタマイズできる汎用性のあるビジネス・モデルを作り上げます。


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2009年11月12日木曜日

角屋に激安、新メニュー登場!

仕事で相模湖に来ています。

昨日は夕食MTGの後に、駅前食堂『角屋』さんに立ち寄りました。
丹沢誉れの冷酒を一杯いただいて、
お通しとお茶菓子まで出していただきご馳走様でした。

350円也。

今日も午前中の緊急MTGの後に昼食を食べるために、
再び「角屋」へ。

580円のランチセットとは別に用意されている、 今日の特別メニューは、先代のおばあちゃんもびっくりするような、ハイカラメニューでした。

ビーフストリガノフと 手作りのミニハンバーグセット。 皮をむいた新鮮なトマトとレタスのサラダ、食後の紅茶とアイスクリーム付き。

こちらは、780円也。

もし、人件費と地代の高い都内のレストランで、ウエッジウッドの食器に盛りつけてメニューに加えるとすると、おそらく3000円はするでしょう。

ほんとうに、おいしゅうございました。


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2009年11月11日水曜日

三方良しのビジネスモデル

 東京・日比谷で同窓生と久しぶりに飲みました。中には20年ぶりに再会した友人も。ゼネコン、防衛省、広告代理店など、みんな巨大組織の中でしのぎを削っている連中ばかりでした。

 外資系金融機関に勤めるTとは2年ぶり。日本の金融機関がどんなにがんばっても追いつけない、動産担保融資のスペシャリストです。彼の会社は、小売業の商品在庫や工場の生産設備などを的確にデューデリして融資案件を進めたり、債権が回収できなくなった時は、海外にも広がる販売ネットワークを使って売却します。

 酒の肴に仕事の説明をしても、
「ハゲタカファンドみたいなもんだろう?それともバッタ屋か(笑)」
未だに外資アレルギーが抜けきらない日本では色眼鏡で見られると残念がっていました。

 買い叩いて売り飛ばす・・・?

 いやいや、この会社の業務はそんな単純なものではありません。強みは、その優れた査定ノウハウにあります。
日本のリレバンが動産担保融資に力を入れ始めたといっても、その実態は売掛債権担保融資がほとんどです。確実にキャッシュインすることがわかっている動産担保しか扱えない。

 ところが、彼の会社に仕事を依頼したある地方都市の工芸品店は、日本の金融機関ではゼロ査定だった在庫を高い値段で担保評価してもらい、億単位の資金を調達しました。当然、工芸品店の社長は大喜び。その資金は人材育成や新規採用の人件費に当てられました。

 さらに、彼の会社には、閉店を決めた小売店が特別セールをする時の店舗運営ノウハウもあります。ここで明かすことはできませんが、アングロサクソンの発想とは思えないような、きめ細かい、日本人的な販売戦略で鮮やかに売りつくしてしまうのです。

 つまり、動産担保をむやみに買い叩かず適正に評価し、資金繰りを助け、いざとなったら高値で売れる販路も持っており、さらに先方が希望すれば閉店セールも効率よく実行してくれるということです。

 いつの間にか、米国資本の会社の方が、近江商人の「三方良し」的なビジネスモデルを操ることが得意になっているようです。


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2009年11月9日月曜日

球根と切り株

球根の植え付けをしたいという母のリクエストにお応えして、今週末も実家に立ち寄りました。

小さな庭のプランターをひっくり返しながら鼻歌混じり。来年の春まで元気でね、それまでゆっくりお休みなさい、とコロンコロン。

作業を進めると、母から突然、新たなリクエストが。
「前から気になってたんだけど、庭の奥の切り株なんとかならんかねえ・・・もう何年も経ってるから根は弱っとると思うよ。」

赤いチューリップの植え付けが終わって庭の隅へ。 大きなシャベルを使って掘り始めると、これがなかなか手ごわい。切り株の周囲を掘り起こし、いざ穿り出そうとすると、根は土を持ち上げながら抵抗を繰り返しました。

こりゃちょうどいい運動だよと、やせ我慢をしていたものの、根っこの根性にはかないません。大汗でメガネも滑り落ち、やっとこさ堀り出した時には、胃がよじれるような疲労感が全身に広がりました。

後片付けは、また来週ということで・・・

開拓で入植した昔の人たちは、延々とこれを繰り返していたのでしょうか。石ころのない庭でさえ、まともな手入れができない現実に、しばらく立ち尽くしました。

先月、取材でお邪魔した豊橋の農家では、80歳を過ぎる親父さんが、畑の崖っぷちに石ころを積んで圃場の手入れをしていました。戦後、20ほどのあったという入植団の一員です。
親父さんは僕にこう言いました。
「今は世の中不景気で、会社員の人は大変みたいだね。若い人も仕事がないって言うし。農業やってて良かったよ。」

大地を開拓し、その後、市場開拓にも成功したこの一家は、日本一の赤シソの生産者でした。


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2009年11月7日土曜日

草食系男子は土に眠る?

週末の都会の本屋で、複数の女子が、ある雑誌を食い入るように立ち読みする姿を目撃しました。農業技術通信社の季刊誌『Agrizm』12月号です。表紙には、女性ファーマーのチャーミングな後姿の写真とドキッとするようなキャッチコピーが…

『地に足つけることって、こういうことなのか
輝け!土食系女子
肉食系に草食系、なんぼのもんじゃい!』

ページをめくると、子供の時に“突如オランダからやってきたメントス”を初めて口に入れた時のような衝撃が・・・

土食系女子とは、「土で食っている女子」、つまり農業を職業として選択して活躍している女性たちのことだそうです。肉食系の女子と草食系の男子が増加中だといわれている昨今、都会から農村に舞台を移して突然現れたように見える土食系女子。その実態は、女子力アップに磨きをかけつつも、きちんと地に足つけて生きている18名の女子でした。

前回のブログで「草食系企業」は時代の要請だなんていい加減なこと言いましたが、こうなると「土食系企業」の活躍が楽しみです。

でも、土食系企業ってどんな企業なんだ?
土食系企業は土食系女子が担うことになるのか?
草食系男子は「土食化」するのか?
それとも、もしかしたら肥やしにされてしまうのか?


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2009年11月4日水曜日

地面の上と下

実家の小さな庭の手入れを手伝いました。スミレやシクラメン、その他鉢の植え替えなどなど。肥料は最小限に。作業をしていると、改めて根っこの生命力に驚かされます。身をよじるようにして蠢く根の間からはミミズがにょろり。いい仕事してます。

すべての植物は、太陽の光と水と酸素と根が心地よく伸ばせる土さえあれば、肥料は最小限でいい。米つくりの現場でも、「V字」ではなく「への字」がいいという言い方があって、年間で肥料を入れるタイミングと量が見直され始めています。植物は地面の上と下でバランスをとりながら、回りの環境と係わり合いながら生きるリズムを自ら作り上げていきます。地上の葉は、根の状態を現すシグナル。

これは、人間の日常生活に置き換えてイメージすれば、肉体と精神。経済活動では都会と地方といえるかもしれません。人間や経済にとって上下の環境とは何なのか。肥料とは何なのか。このあたりを見つめなおすと、新しい発見があるかもしれません。

これからの時代、会社の事業計画は、1年周期の植物の生育や、10年、50年周期の森林の生育をイメージして日々の作業にブレイクダウンするといいのかもしれません。「草食系男子」には少々不安を感じますが、「草食系企業」の根の強さは時代が要請しているような気がしてなりません。

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2009年10月20日火曜日

リージョナリズム再々考

築地で話したKさんは、リージョナリズムを海外との関連でしっかりと考えながら、世界を冷静に見ている方でした。私にとって、大変示唆に富むものでした。社会的属性意識とリージョナリズムの関係、部分と全体、接触部分、地下茎。またお目にかかるまでに、ヒントを見つけるため地方に向かいたいと思います。

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2009年10月15日木曜日

リージョナリズム再考

久しぶりに築地で打ち合わせがあって、帰り道に場外市場でお寿司を食べました。以前、バラエティー番組で、タレントの石ちゃんが美味しそうに食べていた鉄火丼。花びらのように木の器に盛られたマグロを半分ほど食べた時、「リージョナリズム」って何だ?と改めて考えました。直前まで、近くのオフィスビルの喫茶店で、リージョナリズム≒地域主義の可能性について新聞社勤めのKさんと意見交換していました。

地域主義とは、中央集権的に完全にコントロールされることなく、各地方の独自性や特徴を重視する考え方で、厳密には、ローカリズム(=おらが町が一番!)とリージョナリズム(=近隣の地域間で協力しよう!)に分かれています。つまり、リージョナリズムは開かれた地域主義と言い換えてもいいかもしれません。

現在、日本の中で語られる地域主義は、ローカリズムとして語られているようで不気味です。テレビのニュースで何度も放映された森田知事と前原大臣のやり取りは、おそらくPRのプロが仕込んだ台本があったのだと思いますが、今回の羽田空港と成田空港のどたばた劇は、「陳腐なローカリズム」と「国益」の対立軸として伝えられています。

森田知事のローカリズムが陳腐だと思ったのは、成田闘争の歴史も、周辺住民の気持ちも、千葉県民の利益も、どれにも配慮していない下手な演出だったからです。構成上の落としどころは、国益を優先しながら地域も尊重するというものでしたが、「地域主義の一形態であるリージョナリズムとは、本来もっと柔軟な考え方で、それを大臣は言いたかったんですね!」というせりふを、わかりやすく伝えるための工夫が足りなかったのです。大根役者としか言いようがありません。いや、ディレクターが悪い。

新聞メディアは、もっと悪い。このあたりもう少し、丁寧に面白く論説していただければ、リージョナリズムの可能性について、広く理解が進むきっかけになったのではないかと残念でなりません。
今後、大阪府や宮崎県の首長が面白い発言をした時には、見逃さずに読み解いてほしいと思いました。

さて、地域社会の文化や経済が、緩やかに関連付けされながら交流していた中世の日本は、健全なリージョナリズムを実現していたといっていいと思います。幕府による統制はあったものの、伝統的な工芸、郷土文化、自然資源、生産物など、地域社会の有形・無形の資源は、脈々と受け継がれながら交流していました。

これらの地域社会の資源が衰退してきたのは、対中央との需給バランスの関係が原因だと思われがちですが、むしろ地域間の関連が分断され、孤立化したことが大きく影響しているのだと思います。都会から地方への人の流れを期待して交通インフラを整備しても、逆に過疎が進むストロー化現象については、マニアックなフィールドワークで定評がある地域経済のアナリスト、藻谷さんの学生時代の卒論で既に立証されています。

だから、これからの時代の地域経済活性化策や町おこしは、地域間の関係性をすっ飛ばして、すぐ都会と関連付けしようとするせっかちな発想では成就しません。おらが町の地域資源の再発見や再構築だけでは、地域の現場に徒労感を募らせるだけ・・・。

一方、地方が持つ資源の価値に気が付いて、都会の人が地方に興味を持ったり移り住むことは愉快ですが、地方の魅力は、地方同士の連携や歴史的なつながりまで見据えないと、直ぐに飽きちゃいます。あまり気負わず、いろんな切り口で楽しむいい加減さが、地方を元気にするのだということ。そんな感性を持った応援団としての若者や賢い消費者が増えれば、日本経済の不況も克服できます。これ以外の処方箋は今のところ見当たりません。

鉄火丼を食べつつ、ぬる燗を注文しながら、タブロイド紙をめくると、面白い記事が目に飛び込んできました。「子供に見せたくない番組」に6年連続で選ばれた「ロンドンハーツ」でMCをしているお笑いコンビ、ロンドンブーツ1号2号の田村淳が、なんとNHKの「課外事業 ようこそ先輩」に先生役で登場するというのです。

彼が子供たちに出した宿題は、「地元の良さをアピールするバラエティー番組を作る」。いいセンスしてますねえ。果たして子供たちはリージョナリズムを具現化する感性を持っているのでしょうか。今後の日本経済を占う興味深い課題です。そして、入れ子構造となる、大人としてのNHKの制作者側の企画意図を読み解けば、さらに楽しめます。18日放送予定です。

お酒がなかなか出てこないので、思わずかばんの中に入れていた「日経ビジネス」10月12日号を取り出して、ある記事を読み返しました。このところ、地域経済を応援するための小口ファンドに関心を持つ個人投資家が増えて、さまざまな事業が試されています。「時事深層」で取り上げられた水木しげるロードで有名な境港を舞台にした「妖怪ファンド」。展開される事業が、リージョナルを意識して推進されれば、画期的な地域経済活性化の成功事例となると思います。

境港市がある鳥取県と接している岡山県の山間地、西粟倉村では、4月から「森林ファンド」の募集が続いています。http://www.tobimushi.jp/fund/
西粟倉の森林事業が川下の町の資源と繋がったり、縁のある地域と繋がった時、薄暗い日本の林業全体に明るい陽射しが差し込むことになるでしょう。

一杯飲みながら、鉄火丼を平らげた後、さらにテリー伊藤の実家の玉子焼きをいただき、大江戸線の駅に向かいました。ビルの谷間からは、きれいな夕焼け空が見えました。

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2009年10月3日土曜日

いやな予感・・・

民主党の評判が、ネット上で急激にダウンしているような気がします。原因は「開かれた記者会見」を目指すといっていた民主党の公約違反?

ネットジャーナリズムの記者を首相官邸の会見で締め出したことで怒り出す論客。宮台真司さん、上杉隆さん・・・。 いったいどうなっているのでしょうか。

ネットジャーナリズム軽視は、若者軽視を背景としていて、世代間の利害の対立をオブラートにくるむための方便かもしれないと、ふと考えました。鳩山政権は、意外と早く崩壊するのかもしれません。

経済も政治も一寸先は闇。

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2009年10月2日金曜日

月・人・石

少し埃っぽい書斎の書棚。『空の名前』という歳時記風気象図鑑の隣には、絵本の中で一番のお気に入り、『月・人・石』(福音館書店)が納まっています。

厳密には、この本は絵本ではありません。写真と詩と書のコラボ作品です。写真家の川島敏生さん、詩人の谷川俊太郎さん、書家の乾千恵さんが出会って、月刊絵本『こどものとも』(福音館書店)の562号として6年前に発行されました。

写真家の川島さんと私は、その昔、各地を旅したり、ミニコミ誌を発行していた時期があります。北海道紋別にふらりと出かけた時に、森の中で乾さんの書を川島さんが撮影して、ポストカードにしたことがきっかけで生まれたのが『月・人・石』です。

ページを開くと、まず、右側の写真と左側の書の対比がそのまま心に飛び込んできます。深呼吸してから一度目を閉じて、再び目を開けると、写真のキャプションのように添えられた谷川さんの言葉が、語りかけてくれるような、絶妙なレイアウトになっています。
取り上げられた書はすべて漢字一文字で、その数13。

扉 猫 風 音 馬 影 水 石 火 山 蟻 月 人

私は「火」が好きです。相模湖畔の美女川河口に住むオヤジさん、鉄っちゃんの敷地内で、延々と焚き火をさせてもらいながら、撮影現場に立ち会ったのは、ちょうど今と同じ季節だったような気がします。これ以外の撮影場所を私は知りません。川島さんには、いつか、秘密の(?)撮影場所を教えていただきたいなあと思いながら、6年の月日が流れました。
来週久しぶりに川島さんにお目に掛かりますが、ずっと想像し続けるのも捨てがたい楽しみかもしれません。


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2009年9月30日水曜日

空の名前

4歳になる娘は、ついこないだまで、
「人魚姫になりたいなあ。」 と言っていました。ところが最近、
「人魚は自由に歩けないから、どこでも好きなところに飛んでいける鳥さんになりたい。」 と言うようになりました。

自ら自由に羽ばたいて空を飛べる鳥も捨てがたいのですが、私は、様々な気象条件の中で変幻自在に姿を変えながら、ゆっくり動く雲になってみたいです。海から陸に、河口の港から山間部へと、景色を俯瞰しながらただよって、身体が重くなってきたら、ザーッと雨になって大地にしみ込んでいきたい。その後は・・・。

この季節になると、必ず書棚から出して手にする本があります。
『空の名前』(光琳社出版)です。
空や天候や季節の移ろいに関係する言葉と共に、気象庁に勤務しながら風景写真を撮り続けてきた高橋健司氏の作品がたくさん載っている、歳時記風天気図鑑です。

「雲の章」のページをめくると、鰯雲(いわしぐも)、鱗雲(うろこぐも)、鯖雲(さばぐも)など、美味しそうで、爽快な写真が目に飛び込んできます。

マンションの屋上からは、秋の夕暮れ空に浮かぶ雲の下を、気持ちよさそうに飛ぶ鳥が見えました。


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2009年9月16日水曜日

日本の農業の可能性

農業技術通信社の雑誌『農業経営者』の取材のため
琵琶湖湖畔に向かいました。
降りしきる雨は、昼過ぎには小降りに。
夕暮れ時には息を呑むほどに、空が、真っ赤に焼けました。

意外な分野に進出した、知る人ぞ知る湖畔の農業生産法人。
社長が定款に加えた新規事業は、これまでありそうでなかった
農業との相乗効果がばっちり期待できる画期的なものでした。

まだまだ見過ごしている。目を凝らして、汗かけば、見えてくる。
日本の農業はすばらしい。

10年分の勇気とエネルギーをいただいて帰路に着きました。


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2009年9月9日水曜日

ねっと世代の政治意識

日経新聞の一面連載「政権」を
興味深く読んでいます。

巷の興味の関心は、以下のように推移していくと思います。

①選挙結果
②新政権の枠組み
③政策と生活
④政策と経済
⑤世代間格差問題
⑥若者の政治参加
⑦論客候補:森川友義(早大国際教養学部・進化政治学)

日経新聞のWEBサイト
http://www.nikkei.co.jp/

「日経ネットPLUS」
http://netplus.nikkei.co.jp/

政権 第2部 記者ノートから 「渋谷で見たネット世代の政治意識」(9月9日)
http://netplus.nikkei.co.jp/nikkei/news/seiken/sec2/sec090909.html


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2009年8月28日金曜日

神去なあなあ日常

不覚にも体調を崩してしまいました。
生まれて初めての胃の激痛と嘔吐・・・。
40歳過ぎると、あまり無茶できないのかと
少し悔しい思いです。

点滴打って治まりましたが、仲間に仕事をドバッと渡して
2日間休むことになりました。健康管理の甘さに反省です。

そこで読み返したのが、
三浦しをんの『神去なあなあ日常』(徳間書店)です。
知る人ぞ知る、今話題の「青春林業小説」です。
都会の青年が高校を卒業した後、母親と担任教師が無断で
「緑の雇用」制度に応募。
彼は就職先として山奥に送り込まれることに・・・。
三重県の神去村での1年間を四季折々に振り返る内容です。

神去は“かむさる”と読みます。「なあなあ」とは神去村の方言で、
「ゆっくりいこう」という意味。
100年単位で森を育てるこの地方で生まれた、
超長期スパンの生活の知恵からうまれた言葉なのでしょう。

NHKの朝の連ドラ最後の聖地として「林業現場」が見てみたいものです。
主人公を女子高生にしたら、そのままヒロインをプロデュースできますね。
すでに民放でもドラマ化の話が進んでいるようですが、一旦頓挫しました。
早い者勝ち。どなたか、私と組みませんか?
私は当分の間、「なあなあ」というわけにはいきません。

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2009年8月20日木曜日

選挙って何だ?

衆院選投票まで10日となりました。
新聞、雑誌、ラジオ、テレビだけでなく、ネット上でも、
選挙情報や議論が活発になっています。

マニュフェストを吟味する前に、まず、まっさらで考えたい。
与えられた情報を判断する前に、自分がどうしたいのか、
未来をどうしたいのか、決めたい。

小さくてもいいから、何かを自分で決めること。
何かをイメージすること。
イマジネーションを膨らませた時、
大抵のことは解決すような気がします。

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2009年8月7日金曜日

昨日の出版記念パーティー

昨夜開かれた『それは誤解だ戦国武将!』(加来耕三+嶋健一郎著、メディアファクトリー発行)出版記念パーティーは、いい会合でした。モデルの天川沙織さんも駆けつけ、華を添えてくれました。

この本は、「この武将といえばコレ!」という定番イメージは、いったいどこから作られ、どこまで真実なのか、50人の武将が俎板の上の乗せられ、その真相に迫っています。

パーティーの主役は、大型新人、嶋さんでしたが、彼の師匠の加来さんの話しは特に面白かったです。テレビで鍛えられた話術も、芸の域です。戦国時代から離れても、たとえば、ノーベル賞受賞者の野口英雄の患った梅毒や、アル中の奥さんの話しなど、史料に基づいた歴史学のリアルな世界に引き込まれました。

近く、ソフトバンクから発売されるモバイルの武将シリーズのデザインも担当。歴史学者としてのスタンスを力説しながらも、清毒併せ呑むような旺盛な創作活動にも敬服してしまいます。

加来さんは、歴史小説のフィクションにばかり夢中になって、現実の歴史学のリテラシーが余りにも稚拙な日本を嘆いていました。実は私自身も、この年になって、ようやく教科書でならった歴史がでたらめだと、網野善彦を初めて読んで驚いているところなのです・・・。

話しの後半にホワイトボードに書きなぐった「右手の法則 左手の原理」。これは加来さん、お得意の持ちネタだそうです。いわば手品の構造(耕三?)です。右手に観客が注目している間に、左手でタネを操作する手品のテクニックは、政治の世界でもよく使われていますねというお話しです。

オバマ大統領が右手に掲げた核廃絶に向けたとりくみへの意思表示は結構です。しかし、注意して見ていかないと、左手はどうでしょうかねと。歴史上、近代以降の不況脱出の解決策として、戦争以外にうまくいったことがないのが現実ですよね・・・と。

程度の差はあれ、左手にこっそり掲げている「テロとの戦い」という方便を引っ込めることは、多くの国でも、おそらくないでしょう。日本はどうすんでしょう。あなたはどうでしょう。そして、この夏の日本の総選挙はどうなりますやら。

私は、手品が下手なので、こういう話は少し疲れてしまいます。

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2009年7月30日木曜日

日本ビジネス作家協会主催パーティーのお知らせ

◆8月6日にある「座談会&パーティー」のご案内です。
都合がつけば、ぜひ!

●講演会「出版記念座談会&パーティー」
『それは誤解だ戦国武将!』(ナレッジエンタ読本22・メディアファトリー)の監修者と著者「加来耕三+嶋健一郎」を迎えて~

◇特別ゲストはフジテレビ『とくダネ!』火曜日コーナー『サムライ魂』好評出演中の歴史家・作家の加来耕三さんを迎え、めったに聞けない作家デビュー秘話(?)なども交え、アットホームな座談会&パーティにしたいと思います。

加来さんは、平成21年7月30日(木) 夜8時~の「決着! 歴史ミステリー」(テレビ東京系全国6局ネット)に出演!内容は『江戸時代の歴史上の人物・八百屋お七』とのことです。

●日時「2009年8月6日午後6時15分受付開始~午後8時45分まで」
(タイムテーブル)
・午後6時30分「34歳でデビューした嶋健一郎さんに聞く」(司会廣川)
・午後7時00~7時30分「出版記念・特別講演=加来耕三さん」
・午後7時30分~50分「座談会・加来耕三さん、嶋健一郎さん」(司会廣川)
・午後7時50分~60分「休憩」
・午後8時~8時45分「立食パーティー」

●場所「ビジョンセンター秋葉原」
〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町2-10-6オークプラザ3F(ビジョンデザイン株式会社TEL:03-5298-4566)

●会費「5000円」(当日、会場受付でお支払ください)

★『それは誤解だ戦国武将!』プレゼント! パーティー費用も込みです。
★日本ビジネス作家協会の会員証(個人会員・永久会員など種類は問わず)をお持ちの方は、500円割引となりますので、会員証をお持ちください。期限が切れていても大丈夫です!

●申込み「廣川州伸まで2009年7月31日までにメールで」hirokawa@river.ocn.ne.jp
今回、新進気鋭の作家・嶋健一郎君を支援したいということで加来耕三さんにも特別講演をお願いしています。希望者多数が予想され、お断りする場合も出てきます。
◇恐縮ですが、申し込み後のキャンセルはしないでください。
会場の都合上、40名様を超えましたら「お断り」させていただきますので、早めの予約をお願いいたします。

●主催 NPO法人日本ビジネス作家協会

●特別ゲスト:歴史家・作家 加来耕三
●プロフィール
大学、企業の講師を務めながら、歴史家・作家として著作活動をおこなっている。(株)加来耕三事務所代表。『歴史研究』編集委員。著作・講演のほかテレビ・ラジオ番組で監修・構成・出演などを多数手がける。○現在、フジテレビ『とくダネ!』火曜日コーナー『サムライ魂』好評出演中。○関わったテレビ番組に『堂々日本史』『ニッポンときめき歴史館』『その時歴史が動いた』(NHK)、『知ってるつもり』(日本テレビ)『月曜スペシャル・THE古武道』(テレビ東京)など多数。

●ゲスト・スピーカー:作家 嶋健一郎
●プロフィール
1975年、福岡県生まれ。九州大学文学部中国哲学史科卒業。加来耕三事務所に所属し、歴史番組のシナリオや歴史書籍の考証、執筆にあたる。特に中世から戦国時代にかけての日本史を得意とする。○携わった書籍に、『面白いほどよくわかる日本史地図ドリル』(日本文芸社)、『江戸時代まるごとカレンダー』(白夜書房)、『図解雑学Q&A 読みたくなる日本史』『図解雑学 誰も知らない日本史の真実』(ナツメ社)、『うわさの日本史』(日本放送出版協会)などがある。

●座談会・司会:ビジネス作家 廣川州伸
●プロフィール
1955年東京生まれ。都立大学卒。サラリーマンを経験した後1997年に独立してコンセプトデザイン研究所所長。新規事業立案を支援する。現在、NPO法人日本ビジネス作家協会理事・事務局長としてJOIN(移住・交流推進機構)と「JOIN全国ミステリーツアー」で商店街の再生に取り組んでいる。○著書に『ゾウを倒すアリ』(講談社)、『偏差値よりも挨拶を』(東京書籍)『丸わかり世界のビジネス理論』(実業之日本社)講談社現代新書『週末作家入門 まず「仕事」を書いてみよう』など多数。

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熊野古道へ

月末に熊野古道へ向かいます。

水と木と土の聖地、中辺路へ。

農業関係者の方があちらこちらから集まります。

連載記事の題材にさせていただきましょう。

本当は2~3ヶ月うろうろしたいところですが、

2~3日で東京に戻ります。


さて、最近気に入った句を一つ。


わけのぼる ふもとのみちは おほけれど

おなじたかねの つきをみるかな

(一休さん) 

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2009年7月28日火曜日

新たな息吹

今日は原稿の締め切りをようやく一つこなしてから、
第二鉄鋼ビルで打ち合わせがありました。

新たな出会いに、わくわくします。

明日は姫路のちょっと先まで日帰り出張ですが、
行き帰りの新幹線のトンネルで、
イーモバイルの電波が途切れることが心配です。

糸電話にわくわくしていた頃が、
懐かしく思い出されます。

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2009年7月25日土曜日

浮遊する「政治」

このブログは、40歳を過ぎた僕が起業を志すというささやかな抵抗がきっかけとなって始まりました。不平不満を言ったり、肩肘張って何かを変えようとするのではなく、自分が変わることで、違う景色を楽しもう。

そう決めたのです。

設立した会社、イーネット・ブレーンの目標は以下の通りです。

http://www.enb-inc.jp/category/1291532.html
「新たな価値は日常生活に裏付けられた文化から生まれ、経済、政治へと伝播しながら社会全体の血液となります。 イーネット・ブレーンはその価値の消費と循環を常に意識した経済活動を通して、人間の精神の自発的進化を後押しします。」

今回の総選挙は、現在の日本がおかれている文化的、経済的条件を踏まえて、川の流れのように、方向付けられるだけです。

僕にとっては、たとえば自民と民主それぞれに入れ子構造になった「保守」も「革新」も、その他の「色」も、見当たりません。水墨画で書かれたような模様が、記憶の片隅にあるだけです。

「政治」を左だ右だと、無理やり分類する感性は、もう随分前に消費し尽くされています。だから、20代、30代の世代の人たちが社会にアクセスする時には、明確な意思決定も必用ありません。毎日の生活と同じ延長線で、総選挙も、思う存分口コミや噂話を楽しみながら、つぶやいて、ふわふわとつながりあえばいいのです。

浮遊する経済、浮遊する政治。ビジネスのタネは、その先に待っている浮遊する文化の中にきっと落ちています。

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2009年7月21日火曜日

解散総選挙でどうなる日本

戦後初となる真夏の総選挙。
果たして何が起こるのか。
その後どうなるのか。
後で自分で振り返るために
気になることをまとめておこうと思います。
あくまでもメモ書きです。

①民主圧勝
②20~40代有権者の口コミ効果が話題に
③外交はアジアへ少しシフト、地方分権進展
④農政は補助金ばら撒き復活するも企業参入は進む
⑤企業と自治体連携型の農業萌芽でパソナ本領発揮
⑥資源国の輸出関税引き上げ問題で林野行政に動き
⑦画期的な林業機械の開発計画発表⇒コマツはどうだ
⑧コモンズ投信が国内第一次産業関連へ投資開始
⑨農林中金の時限爆弾破裂
⑩市場公募地方債と町興しファンドブーム
⑪寺社事業支援と文化財保護法論議勃発
⑫議員立法で富くじ法案登場

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人間を幸せにするニュースって何?

不安定な天候が日本各地で続いています。ついさっきまでいい天気だったのに、突然雲行きが怪しくなって、ヒヤッとしたことはありませんか?都会で働くビジネスパーソンはもちろん、山や川などに出かける行楽客にとって、気象庁が発表するお天気情報だけでは、物足りなさを感じてしまう瞬間です。

特に厄介なのが夏に多発する「ゲリラ雷雨」。「ゲリラ雷雨」は、突発的かつ局地的に発生し、大きな被害をもたらすことで知られていて、現在の気象観測技術では、その予測は困難だと言われています。いったいなぜでしょう。

「ゲリラ雷雨」をもたらす雷雲は、“急速”かつ“局地的 ”に発達します。ところが、アメダスの観測は10分単位と間隔が長いため、急速に発達する雷雲の動きについていけません。また、従来の気象レーダーは、雨雲が2km以上にならないと認識できないため、局地的に発達する雷雲を見逃してしまう可能性があるのです。

そこで、世界最大の民間気象情報会社、ウェザーニューズ社(東証1部上場)は、この問題に挑むため、昨年からある取り組みを始めました。全国1万人以上の『ゲリラ雷雨防衛隊』の隊員の協力を得ながら、日本の空を監視し、平均で70%以上の確率で「ゲリラ雷雨」を事前に捉えて、その情報を利用者に知らせすることに成功したのです。

同社が管理している『ゲリラ雷雨防衛隊』は、月額315円の有料会員向けの携帯サイト内で発足したコミュニティから生まれました。担当エリアごとに登録している隊員たちは、隊長(同社)から「監視体制始動メール」が届くと、その場で観測を開始します。「現在の天気」「雲のある方角」「雲の成長具合」「雷鳴の有無」、そして、「肌で感じた感覚」などを入力し、写真などと併せて返信します。

隊員からの報告をもとに同社で分析し、予測に成功した場合には、隊員たちの功績を称える『本日の健闘結果メール』が全国配信されます。

今年は隊員の報告項目を昨年より増やして、昼モード、夜モードなどのそれぞれの時間に合った報告で、「ゲリラ雷雨」の観測に挑みます。隊員に支給する特製の方向磁石も用意され、2万個が配布される予定です。 HPの写真見たら、なんか、ほしくなっちゃいます。

今年の隊員の活動がいよいよ21日から始まるそうです。夏のゲリラ雷雨による“死亡者ゼロ”及び、“事前補足率90%以上”を目標にしている同社は、雷雲の位置をより細かく特定するための協力を隊員に呼びかけ、解析スピードを向上させることを目指すとのこと。

民間企業によって作られたニッチなビジネスモデルが、いつのまにか気象庁の観測技術をおいこしちゃう。これは、技術の進化ではなく、人間の意識の進化。ニュースが人間を幸せにするなんて、素敵だと思いました。
http://weathernews.com/jp/c/press/2009/090713.html
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2009年7月18日土曜日

【米】ツイッターV.S.【日】ミログ

mixiの中で認知度15%といわれている「ツイッター(Twitter)」」をご存知でしょうか?この数字が高いのか、低いのか、評価は別として、とても気になっています。

Twitterとは、「小鳥のさえずり」という意味で、英語でも日本語でも最大140字までの短文しか書けない「マイクロ・ブログ」のことです。現在、日本語版のツイッターユーザーは40万人。

私が現在書いているこちらのブログ「千のプラトー」は、「Blogger」というブログサービスを使っていますが、開発者のエバン・ウィリアムスが「Blogger」をグーグルに売却した後、「シンプルなコミュニケーション・ツール」として新たに開発したのが「ツイッター」です。

メールやブログの次に世界で情報革命を起こすとすると言われていて、新たなコミュニケーションツールとして世界で急拡大中。いわば、「WEB3.0」と言ったところでしょうか。2009年6月現在、ツイッターユーザーは、世界で3000万人いるといわれています。

ツイッターは、先日の中国のウイグル人V.S.漢民族の暴動で、マスコミの情報源となった他、イラン大統領選やオバマ大統領誕生の秘密兵器だったとも言われています。IT関係者の間では、マイケル追悼ムーブメントの火付け役としても有名です。

さて、このツイッターの日本語版が上陸して1年。

出てきました。日本でも・・・。「打倒ツイッター」を掲げる日の丸ベンチャーが立ち上がったというのです。「ミログ」というそうです。様々な使い方ができるらしいのですが、まだよくわかりません。

早速自分でも試してみようと思います。

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2009年7月8日水曜日

ホントの農業の可能性

金融機関の渉外担当者を主な読者としている『近代セールス』の取材を受けました。
発売されたインタビュー記事(NO.1086 2009年7月15日号) を先程、改めて読んで、気になリ始めたことがあります。著者校正で確認させていただいたので、編集の過程で出版社には何の落ち度もないのですが、本当にあれでよかったのだろうかと・・・。

「プロフェッショナルに聞く 中小企業への経営アドバイス~農業ビジネスはチャンスの宝庫 農業周辺にチャンスを見い出せ!~」
http://www.kindai-sales.co.jp/item/20907.htm
(本文データは読めません。興味のある方は、お買い求めください・・・。)

後悔したのは、文中で「日本の農業の現状は、注目されるようになった割に、依然として課題がある。しかし、だからこそ、改革・新規参入・起業ののり代が大きいのだ。」と結論付けたロジックです。

マクロ的な統計データだけを眺めても、農業の本当の可能性はなかなか見えてこないと、常々考えていますが、その主張を控えたのです。同時多発的に発生している新たな挑戦者たちの姿や、力のある農業経営者の方々の底力は、多くの人をなるほどと納得させるデータの裏付けをとらないと、理解してもらえないからです。

兼業農家を批判する気持ちは全くありませんが、一定水準以上の売上げを達成している専業の農業経営者の技術力の高さやビジネスセンスには、目を見張るものがあります。しかし、その因果関係を示すデータは、まだ調査規模が小さく、公の場で客観的な判断材料にするには時期尚早と判断しました。

混乱を招く可能性があるので、このブログでも触れませんが、私が気になっている数字とは、農業技術通信社が発行している月刊誌『農業経営者』の読者に対して行なったアンケートです。
(このデータが気になる方は、直接メールをいただければ幸いです・・農業技術通信社に問い合わせても、おそらく、教えていただけると思います。)

人様に伝える前に、自分の頭と足で、さらにリアルな農業の現場に迫りたい。そして、その可能性を見極めたい。一般的には注目されていない、私にとって想定外の、JAしっかりしてよ問題(隠れたサブプライム問題)の影響が、どこまで広がるか、冷静に見極めたい。さらに、既存のデータから見落としている農業の力強い兆しはないか、もう一度、吟味したい。その後、再度、伝えたい。そう考えています。


「意志あるところにしか道は拓かれない。望む未来にセオリーなし。」

この考えには一点の曇りもありません。経済事象は、意志の集積が一定以上進んだ時点で、予測不可能なスピードで変化していくものだと、歴史が教えてくれるからです。

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2009年7月5日日曜日

景気循環とマーケティングの接点とは?

昨年来の世界経済の低迷は、最悪期を脱したとの見方が出始める一方で、本格的な景気回復にはまだ時間がかかるだろうという専門家の発言が大半を占めています。

V字回復ではなく、たぶん、だらだらしたL字回復なんだろうな・・・。

このだらだらさ加減の行く末が、多くの人をイラ付かせていることと思います。

各国の財政政策から、今日のお昼ご飯は何にしようかという、個人のお財布事情まで、大きな影響を与えているマクロ経済学の分野では、これまで様々な時間軸で景気循環を捉えようとしてきました。

●周期3~4年スパンの在庫調整による「キチンの波」
●周期8~10年スパンの設備投資による「ジュグラーの波」
●周期20年スパンの住宅需要による「クズネッツの波」
●周期50年スパンの技術革新による「コンドラチェフの波」

たとえば、サブプライムショックは、コンドラチェフの波の「谷」にあたるとの解釈も可能で、こうした様々な景気循環説はとても便利です。

意外な線グラフを眺めながら、景気循環と結び付けたアイディアもあります。

「太陽黒点説」。

太陽の黒点の数が増えると、地球に降り注ぐ電磁波が増加して、人間の精神活動を活性化させ、経済活動も活発となるもの・・・。
太陽の黒点の数の増減は、ほぼ10年おきに規則的な動きを示していますので、ジュグラーの波の遅行指数と見ることができるかもしれませんが、現在、まともに実証研究をしている研究者はいないようです。
20年前に栗本慎一郎さんがカッパブックスで、はしゃいでいたくらいでしょうか・・・。

人類史上、人間は、常に未来を予測しようと試み、文明を発達させてきました。物理学の世界では一定の時間が経過する中で、物質がどう変化するのか、その法則を見つけ出すことで未来を予測します。
一方、マクロ経済学でも同じで、いろんな尺度で規則性を確認しようと、天文学の知識を動員してまで、その解明に情熱を燃やしてきたわけです。経済統計学は、ありとあらゆる尺度をテーブルの上に乗せては、その最大公約数を実体経済に当てはめようとしてきた歴史ともいえます。

自然科学をお手本にして発展してきたともいえるマクロ経済。その統計の手法を操る専門家の方には、次のフェーズに進んで、我々に知見を与えてほしいと思います。

昨今の世界経済はIT化とグローバル化によって、大変革し、複雑化した。その中で、今後、いったい何が世界経済に影響を与えるのでしょうか。

特に金融の世界では、一部のマネーの動きが、世界全体に大きく影響を与える仕組みを制御できなくなっています。この現象は、一個人の社会に対するコミットメントが、あらゆる分野で強い影響力を持ち始めた兆しとして、歓迎して受け入れればいいのではないかと思います。

一企業、一市民の発言や、経済活動が、経済全体に影響を与える時代。この発想は、「インフルエンサーマーケティング」や「論争マーケティング」の世界では当たりまえです。

たとえば、雑誌『宣伝会議』や『販促会議』に、エコノミストやアナリストの方が連載記事を書くような試みがでてくると、最高にクールだと思いますが、いかがでしょうか。

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2009年7月3日金曜日

「赤いハゲタカ」が日本の森を狙ってる?

昨年、日本の森林を、中国資本が水源地確保のために狙っているという噂を聞いて以来、ずっと気になっています。

5月には産経新聞でも記事になりました。

全国で、最終的に売買が成立したと確認できている案件はありません。未確認情報ばかりです。 昨年、林野庁が実態調査に乗り出したようですが、森林法では、1ヘクタール未満の山の売買は自由に認められていて、都道府県への報告義務もないため、制度上、実態を把握することができません。

農地法で農地の取引が厳しく規制されているのとは対照的に、民有林はかなり自由な取引が可能です。法律の網のかけ方に、大きな問題があるように感じます。

そんな中、日本初の森林ファンド「共有の森ファンド」を4月に立ち上げて、持続可能な事業として地域経済活性化に取り組むトビムシ。彼らの事業を全面的に受け入れた西粟倉村は、国産材の有効活用と地域の伝統・歴史・食文化を紡ぎ合わせ、移住者を受け入れる政策を進めています。その結果、岡山県で唯一流入人口が増加し続ける自治体となりました。

西粟倉村の事業を支える資金となる一口5万円のファンド。投資家は、意外にも都会の若い世代が多いとのこと。個人投資家というよりも、地域の外部応援団のような感覚です。まもなく第二次募集も予定していて、今月18(土)、19(日)には、泊りがけの投資家説明会も開かれます。これは、とても大切な試みです。 イベントでは、最近、C.W.二コルさんも推奨している山の食文化、鹿肉料理も振舞われ、地域の魅力が存分に味わえる説明会になるでしょう。

まずは、日本人自身が森林関連資源を有効活用することの大切さに早く気付かないと、取り返しの付かないことになります。日本全国の多くの森では 間伐が進んでいないため、光の届かない暗い環境下で、もやしのような木が増えています。このままでは立ち枯れや表土流出などによって、木材資源として価値を失うばかりか、水源地としての機能も低下してしまいます。

その中での、中国資本の動きは、当然といえば当然。地価の下落は、彼らからしてみれば、「これはチャンス」だと映ったとしても不思議ではありません。世界の水不足問題は深刻です。中国でも大きな政治課題となっています。

外資アレルギーが強い日本。その昔、不良債権を抱え込んだ日本の企業社会に舞い降りた欧米の「ハゲタカファンド」は、必要以上に恐れられました。今度は中国の「赤いハゲタカ」に日本の森が狙われていると、騒ぎになるかもしれません。

2007年に設立された中国投資有限責任公司(CIC)を「赤いハゲタカ」と呼ぶ人がいますが、映画でも、「赤いハゲタカ」が今上映されていて、改めて中国の巨大資本の動向に注目が集まりまじめました。
http://y8kjm.jugem.jp/?eid=1019

さて、「赤いハゲタカ」と似ていますが、全く意味が違う「赤いファンド」という言葉があります。昨年、村上龍さんのメールマガでも話題になった、「赤いファンド構想」・・・。
「赤いファンド」とは、社会主義的な理念を実現させるために多くの人が株主となり、生産手段や企業活動をコントロールする、というアイディアとして語られることが多いようです。

<村上龍さんの運営しているメルマガJMMの中での質問>
配信日:2008年12月15日
『世界経済が縮小する中、日本のメーカーでは、派遣労働者や期間工が真っ先にクビを切られているようです。わが国の雇用を維持する対策ですが、本当に可能なのでしょうか。』

少し長くなりますが、回答者の一人、三菱UFJ証券の投資銀行本部エグゼグティブ・ディレクターの三橋誠さんのコメントを引用させていただきます。
おそらく、「赤いファンド構想」の話題が初めて公になった記事だと思います。
ただし、JMMで掲載された全ての意見・回答は各氏個人の意見であり、各氏所属の団体・組織の意見・方針ではありません。

『極端な話、経済を全て中央官僚の設計に委ね、貿易を遮断し、供給する財を完全に統制可能であれば、そこに至るプロセスの時間の問題はあったとしても、完全雇用は可能だと思います。(略)

例えば明確に企業の雇用創出機能をこそ投資の尺度とするインターナショナルなレベルでの投資ファンド(「赤いファンド」(笑)とでも命名しましょう)を組織し、一定の影響力を持つ大企業の株主総会で確実な影響を持って「雇用を護ろう」と発言する基盤を持つなど動き出す必要があります。

要は資本利益率や配当性向にしか関心を持たないまるで翼賛会のようなイメージで捉えられる株主を、もっと多様な意識を代表する党派的な株主へと変化させるべきなのです。

少なくとも、株主を資本家そのものであるとか、資本家階級を代表するものとか考えずに、寧ろ労働者階級の利益を代表する投資家、資本を創出するということは、コロンブスの卵かも知れませんが、議会制民主主義の手続きの中で、国家を掌握する努力よりは有効な闘争の回路ではないか、と思うのです。(略)』

(出展全文)
http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/economy/article527_3.html

話を森林資源の問題に引き戻して考えると、トビムシの取り組む森林ファンド「共有の森ファンド」の持つ深遠な意義について改めて感心してしまいます。
トビムシの「共有の森ファンド」は、「赤いハゲタカファンド」とも「赤いファンド」とも、全く関係がありません。私の希求する勝手な国際的な仕組みつくりとも関係ありません。

ただ、一市民として、「共有の森ファンド」に、社会の関心が集まりさえすれば、似たような機能を持たせることができるのではないかと、勝手な期待が膨らんでしまうのです。

http://www.tobimushi.jp/

個人的には、国際的な水資源の共有化の仕組みをつくっていく選択肢もあるのではないかと、真剣に考えています。 「赤いファンド」のような極端な発想ではなく、「グリーンファンド機構」、あるいは「国際ウォーター管理機構」みたいな新たなスキームはできないものかと・・・。


いずれにしても、林野行政や世論は、まだ、森や水に関わる事態の重要性について充分な認識が進んでいないように感じます。 あるいは、気付かないフリをしているのでしょうか。

様々な事態を想定しつつ、できることを速やかに。
霧が立ち込め、未だその山容を露にしない今朝の相模湖の石老山を前に、 寝た子を起こすような刺激的なニュースが必用なのだと痛感しました。

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2009年7月2日木曜日

相模湖畔にて

懐かしい神奈川県の相模湖に来ています。
仕事の打ち合わせが遅くまでかかったので、 宿に泊まることにしました。

昔、駅前食堂「角屋」のまきえさんに教えていただいた民宿です。

腰の曲がったおばあちゃんは、
手すりにつかまりながら、
玄関のシャッターをあけてくれました。
夜遅くにごめんなさい。

ゆっくりとした動作とは裏腹に、
面と向かうと、躍動感すら感じるきれいな肌にびっくり。
今年87歳とは信じられない可愛いおばあちゃんです。

今夜の泊り客は、釣り人と私の二人だけ。
ひとっぷろ浴びさせていただいて、一仕事します。
6畳和室の二階の角部屋。
窓を明けると、暗闇の中、虫の音と微かに聞こえる湖畔の小波。
朝靄に霞む石老山の稜線が現れる前に、林業の企画、門前町の復興計画、ファッションブランドのイベント企画、一気に構想を練らねば。。。

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2009年6月28日日曜日

気持ちが動く瞬間

年表創造コミュニティー「histy」を開発した高橋誠氏が、動画やサイトのリンク集を送ってくれました。

かなり個人差があるとは思いますが、一つ、二つ、 お気に入りに出合えるかも知れませんのでご紹介します。
(★印:芹澤の感想です。)


■元気の素 リンク集

●動画

○Apple創始者・スティーヴ・ジョブスの伝説のスピーチhttp://www.youtube.com/watch?v=qQDBaTIjY3s
アップルのCEOのスティーヴ・ジョブスが2005年6月にスタンフォード大学の卒業式で行なったスピーチの動画です。
★昔、テレビ局のある女性デスクが、このスピーチを和訳してスタッフみんなに一斉メールで送ってくれたことがありました。ジョブスが言う「過去を振り返って点を繋げる」とは、「過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる。」という意味だと思いました。

○環境問題の活動家・12歳の伝説のスピーチ 環境サミット@リオ http://www.youtube.com/watch?v=C2g473JWAEg
1992年6月。ブラジル、リオ・デ・ジャネイロでの「環境と開発に関する国連会議(環境サミット)」に集まった世界の指導者たちを前に、たった12歳の少女、セヴァン・スズキが行なった伝説のスピー チの動画です。
★セヴァン・スズキさんと交流を続け、環境文化活動を推進している文化人類学者の辻信一先生とは5年間お目にかかっていません。お元気でしょうか。セバン・スズキさん以外にも、辻先生が注目していた少女がいます。エクアドルでの地域通貨運動のリーダーをしていたぺニェレーラ。当時、僕は『ドルと戦う少女、ぺニェレーラ16歳』というドキュメンタリー企画を進めていましたが実現しませんでした。

○ランディ・パウシュの「最後の授業」
http://www.youtube.com/watch?v=nrFMRuB2lbA
末期ガンにかかって余命の少ない、カーネギーメロン大学のランディ・パウシュ教授が、2007年9月に行なった最後の講義の動画です。
★知性とは何か。叡智とは何か。人間の可能性を感じさせてくれます。

○明治安田生命 CM「あなたに会えて」シリーズhttp://www.meijiyasuda.co.jp/profile/event/dear/
生まれてすぐダウン症にかかり余命わずかと宣告された秋雪くんとご両親の関係を描いた「たったひとつのたからもの」は必見です。
★ラストのポーズは、自分にも経験があります。

○「一秒の言葉」キャンペーン
http://www.1byou-no-kotoba.jp/
「一秒の言葉」をテーマにつくられたセイコーのCMの動画です。
★映像作品としては、物足りなさを感じますが、もしかするとそこが狙いなのかもしれません。

○旅立つ日
http://www.youtube.com/watch?v=dSx9Ybc-IDY
象のお父さんが天国に旅立つ日を描いたアニメです。
★象の生態を前提にした作品なのでしょうか。僕は、WALKING TOURの方が好きです。

○WALKING TOUR
http://pya.cc/pyaimg/pimg.php?imgid=6468
人生の歩みをアニメで描いたフラッシュ動画です。人により評価は分かれるかもしれません。
★「旅立つ日」と比べると、より一般化・普遍化されているように思いました。

○「ありがとう」って言いそびれたヤツいる?
http://pya.cc/pyaimg/pimg.php?imgid=6133
亡くなった母親について書いた2チャンネルのメッセージをフラッシュアニメにまとめたものです。
★最近、なるべく口にするよう心がけている人がいますが、全然足りないもどかしさがあります。さらに、いまだに言いそびれている人もいます。

○Where the Hell is Matt? (2008)
http://www.youtube.com/watch?v=zlfKdbWwruY
マットがいろんな国のいろんな場所で踊っている動画です。
★マイケル・ジャクソンにもやってほしかった・・・。

○Everything Is Possible [Great Mix]
http://www.youtube.com/watch?v=FUCSJQjPEu4
すごいパフォーマンスを集めた動画です。
★big waveは圧巻。

○とてつもない日本のはっぱ隊
http://www.youtube.com/watch?v=kmz8bD8Rs4o
フジテレビ系放送されていた番組「笑う犬の冒険」に登場していたはっぱ隊の世界での反響をまとめている動画です。
★ばかばかしいけど、バラエティー番組の可能性を感じさせてくれます。

○思いは招く 植松努さん講演
http://www.youtube.com/watch?v=XNMiLEmHyNY
北海道の町工場で宇宙開発にチャレンジしている植松電機の植松努さんの講演の動画です。
★報道されているのは、彼の人生の中のほんの一面なんですね。

○名言集~元気の出る言葉たち~
http://www.youtube.com/watch?v=GsCpxjaxttM
元気の出る名言を集めた動画です。
★音楽がうるさい。結論の「ポジティブシンキング」というのは安直。「生きるとは結論を先送りにする叡智である」っていうのはどうでしょうか。

●テキスト

○逆説の十カ条『それでもなお、人を愛しなさい』よりhttp://blog.goo.ne.jp/pandagananda16/e/77a0553a7b62b081e4c27a3190b5e7f0
ケント・M・キース『それでもなお、人を愛しなさい』からマザー・テレサもよく言っていたという「逆説の十カ条」です。
★三浦綾子が言うとウソ臭いけど、これは少し納得させられます。

○『祝婚歌』
http://www5.plala.or.jp/kappa_zaru/shukukonka.html
詩人の吉野弘さんによる、結婚する二人を祝福する詩です。
★離れ業とでもいいましょうか・・・。僕は失敗ばかりです。

○「命を見つめて」
http://www.nishinippon.co.jp/news/2005/0116song/
ガンのために13歳で死去した猿渡瞳さんが、死去する前に書いた作文です。
★死を「穢れ」や「恐れ」として日常から切り離してしまった現代社会で、奇跡的な精神の進化を一瞬の内に成し遂げた偉人の言葉だと思いました。

○直感を信じろ、自分を信じろ、好きを貫け、人を褒めろ、人の粗探ししてる暇があったら自分で何かやれ。
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20070317/p1
『ネット進化論』などの著書で知られる梅田望夫さんがブログ上で書いた記事です。
★今の日本には起業家精神を誤解している人が多いような気がします。
たとえば、緩やかな勾配の螺旋階段を歩いている人がいるとします。少し離れて横から見ると、きっと左右の往復運動に見えるでしょう。また、螺旋の上から覗き込めば、円運動をしてるように見えるでしょう。
右往左往しながら、堂々巡りしているように見えるかもしれませんが、二度と同じ場所を通過すとことはない。これが、進化の過程だと思います。
私のフレームワークは3つ。
①螺旋階段を自ら歩くこと
②螺旋階段を外側から観察すること
③螺旋階段を俯瞰して眺めること。

●その他

○ほめられサロン
http://homeraresalon.com/
自分の名前を入れると、いっぱいほめてくれます。
★最近話題になっているようですが、個人的には気持ち悪い・・・。ワンパターンが過ぎる。70歳代や80歳代用の言葉をもう少し考えてもいいんじゃないでしょうか?

○リグレト みんなで「ヘコむ」を楽しもう!
http://rigureto.jp/
日々の小さな「ヘコみ」や「後悔」を公開してみんなになぐさめてもらうというサイトです。
★とことん落ち込むことも大事なんじゃないの?そんなこと言う男はもてないんだろうな。

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その先を目指すコミュニケーション戦略
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2009年6月22日月曜日

地域×都会=?

地域と都会に住む人々をつなぐ取り組みが加速しています。

以前、私が訪れ、その森のすばらしさに感動した岡山県西粟倉村の木材が、クリエイティブなデザイナーと熟練技術を持つ大工の手で、「本物の家具」に生まれ変わる・・・。

「共有の森事業」を展開している㈱トビムシが、大工とクリエーターでつくる家具プロジェクト「DAIK(ダイク)」とコラボレーションして、地域の森林資源を活用した家具の制作を開始するというのです。

http://www.amita-net.co.jp/info/release-20090616-000897.html

トビムシは、国内初となる林業支援の事業ファンド、「共有の森ファンド」を創設していて、その第一弾となる岡山県西粟倉の事業に対する出資を募っています。
今回、具体的な商品化への目処が立ったようです。

提携先の「DAIKプロジェクト」を率いるのは、家具から住宅設計、路地裏のプロジェクトまで、生活デザインを多方面に展開している西田司氏。これまで、グッドデザイン賞など、数々の賞を受賞してきたトップデザイナーです。

いったいどんなものが出来上がるのでしょうか!?

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年表創造コミュニティー「Histy」ってなんだ?

仲間の友人が、ロサンゼルスから帰国して、すごいSNSを立ち上げました。
専用フォームに年代や出来事を入力するだけで年表を作成できる「Histy」というサービスです。資料を見て感心。サイトにアクセスしてびっくり。

私には、ITソリューションを自分で開発する能力はありませんが、新たなコミュニケーションツールとしてブレイクすると確信した次第です。

こんなのが、欲しかった・・・。まずは、動画の説明を。
http://histy.jp/?m=pc&a=page_o_movie_home

以下、リリースの概要です。

高橋誠氏が立ち上げた、ネットベンチャーのスマイルメディア(神奈川県大和市)が運営するこのサービスは、ユーザー同士で交流するSNS機能はもちろん、複数人で年表を共同制作することも可能です。

閲覧時は、入力した年代とタイトルが一覧表示され、クリックで出来事や画像が表示されます。ほかのユーザーと自分の年表を比較したり、コミュニティー機能を利用して複数のユーザーで特定のテーマについての年表を作ることも可能。

7月に追加する有料サービスを利用すれば、年表をCSV形式でダウンロードしたり、印刷することもできます。作成した年表は、年代とタイトル、できごと、画像を、専用フォームに入力して作成する仕組みで、「0歳」「1歳」といった年齢をタイトルにした「自分史年表」や、「有名人の年表」、「製品シリーズの開発年表」、「社史」などの作成が可能です。作った年表は、「ネット全体に公開」「Histyユーザーにのみ公開」など、公開範囲を設定できるようになっています。

有料サービスは、個人向けと法人向けの2種類に分けられていて、人向けは月額525円。法人向けは、初期費用、年間維持費用とも5万2500円かかりますが、機能はさらに充実しています。企業の専用ページを作成したり、社史をサイト内の目立つ位置に掲載したり、年表をブログパーツ化して、会社の公式ブログなどに貼り付けられる機能も付加されています。

このサービスは、自分史を記録した自費出版の書籍やビデオなどがシニア層の間で盛り上がっていることなどがきっかけだったといいます。1月にサービスを始めていて、現在の会員数は数百人。今後1年間で無料会員数10万人、個人有料会員数1000人、法人有料会員数100社を目指しています。これは、一気にブレイクするかもしれません。高橋誠氏は「年表のWikipediaになりたい」と意気込んでいます。

私としては、全国各地の郷土の文化・歴史をベースに、新たな地域経済活性化のツールとして、イーネット・ブレーンの事業に活用できないか、検討を始めています。
1年以内に、是非、英語版も作って欲しい・・・。 日本語で作成して、即座に英語に自動翻訳できる機能を!

高橋さん、がんばってください!

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2009年6月20日土曜日

七福神で大発見?

最近、縁あって、建築文化史の研究者、一色史彦先生とお話しする機会が増えました。先生は、世界的な七福神の研究家としても知られており貴重な著書を一般向けに書かれています。





これまで講演活動を続けながら七福神の巡礼コース「七福神巡り」を作ることで、日本の文化財の保護と活用を進め、地域社会の経済と人のこころを元気にしようと、宝船の運航に精を出してきました。

七福神の恵比寿さんは、誰でも知っているかもしれませんが、7つ全部言える人は、まずいないとおもいます・・。以下、一色史彦著『一休さんのモノにココロあり 七福神の創作者』を参考にして、ざっとおさらいしてみます。

①恵比寿さん
七福神の中で唯一日本の神様。生業を守護して、福をもたらす神として、日本の民間信仰の中で広く受け入れられてきました。

②大黒天(だいこくてん)
右手に持った打出の小槌は、振れば金貨がざくざく出てくると言われていますが、実はナマケモノの農夫に、もっとまじめに働きなさいと、頭をゴツンとやる時に使うのだとか。
その結果、流れた汗で、肥沃な大地で収穫が上がるという、とっても深~い意味があります。インドのヒンドゥー教では破壊神とされるシバ神の別名です。

③毘沙門天(びしゃもんてん)
左手に持っている宝塔には、財宝がぎっしり詰まっていています。 ヒンドゥー教でも財宝・福徳をつかさどる神として崇拝されています。

④弁才天(べんざいてん)
七福神の中で、唯一の女神。琵琶をもっていて、別名は妙音天。水を有するものという意味があって、こちらも、元来はヒンドゥー教の神様。ヒマラヤ山系からの雪解け水は、恵みの水ですが、大洪水を引き起こすこともあります。女を怒らすと恐ろしいのです。

⑤寿老人(じゅろうじん)
鹿がまとわり付いている、中国から来た福神で、長命・延寿を司っています。

⑥福禄寿(ふくろくじゅ)
道教で強く希求される3種の幸せ、幸福、封禄、長寿の全てを兼ね備えている福神。長い頭にはギッシリ知恵が詰まっているそうです。

⑦布袋尊(ほていそん)
七福神の中で、唯一実在の人物。大きな袋を抱えて町を歩き回って、人がくれるものを何でも匂いをかいでから、袋に投げ込んでいく変わり者?弥勒菩薩の生まれ変わりだったそうです。

①の恵比寿さんは日本の神様ですが、②~④はインドの神様、⑤~⑦は中国の神様。七福神は、見事な神道・仏教・道教の混合部隊です。
英語で表記するときは“the Seven Happiness Guardiands!”
キャラクターにして、ゲームやアニメにすれば、
新たな「クールジャパン」ブームがやってくるかもしれません。

さて、一色史彦先生は、一休さんが七福神を考案したという仮説を唱えていますが、今のところ、他の研究者からの異論は出ていないそうです。
結構な、大発見なのでは???


一色史彦略歴
http://www.kasumigaura.net/kokentik/daiku/1iro.html




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2009年6月10日水曜日

流れ星に願いを掛ける合理的根拠

紫陽花がきれいな梅雨の季節となりましたが、この季節、夜道を歩く時の楽しみは、残念ながら、一つ減ってしまいます。

空気のきれいな地方に出かけても、見上げる夜空に星を見つけることは難しくなってしまうからです。いまから梅雨明けが待ち遠しい・・・。

僕は、夜空に浮かぶ動かない星に向かって、のんびり願いを掛ける習慣はありませんが、流れ星に向かっては、急いで3回願いを唱えます。

反射的に願いをつぶやく行為。実は、これには、ロマンティックな意味ではなくて、目標の達成に効果があるとのだと、大真面目に考えています。

自分の目標について、常に具体的なイメージを持ち、さらに短いキャッチコピーとして意識されているテーマは、日常の全ての行動に影響を及ぼしているはずです。

チャンスを逃さず、いつでも反応できること。つまり、目標のイメージ化⇒単純化⇒意識化です。これこそが、目標達成の秘訣だと思うのです。

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2009年6月9日火曜日

林雅行監督との七輪談義・・・

今夜は、久しぶりに、私の師匠でもある、ドキュメンタリー映画監督の林雅行さんと一杯飲んでご機嫌です。
定番のホルモン焼きの店でも、肉の量が、この一年で、みるみるうちに、減量される世知辛い今日この頃・・・。メディア論から毎日の家族のエピソードまで語り合ううちに、元気になりました。

私の未来ビジョンは、今でも変わっていません。地道な日常を繰返すのみです。ありがとうございました。

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2009年5月31日日曜日

往復運動の深層

仕事の合間にコーヒーを飲んでいたら、自分の引っ越し遍歴のことが、再び気になり始めました。

20年間で、8回も引っ越しをしたとはいえ、マクロ的には、津久井郡⇒千葉県⇒津久井郡⇒千葉県と、2つの地点を行ったりきたり。

引っ越しの直接のきっかけは、結婚や離婚ですが、千葉県では、回わりに畑が残っている近郊農業が営まれている地域に住み、津久井郡では、森林と湖が見渡せる場所を探して家を借りていました。

今、思い返してみると、土と木と水。この3つの要素を見極めようと、吸い込まれるように、引っ越しをしてきたのかもしれません。2往復を終えた今、3往復目の運動につながるのか。あるいは、どこかへスピンアウトするのか。

スピンアウトとは、本来、自動車がスピードを出しすぎて、コースから飛び出すことをさした言葉ですが、ビジネスの世界では、企業内の一事業部門や、利用していない休眠特許などを売却して、新たな事業体が生まれることを意味しています。

始まったばかりの僕の事業が、想定以上に急展開する可能性は、今のところ見受けられません。極めて牛歩です。

しかし、もう一度、綿密な事業計画を立て直して、日々のスケジュールにまで、ブレイクダウンしてみようと思います。
そして、仕事場の整理を始めましょう。

時間と空間をコントロールしているのは、他人事の法則ではなく、自分の「意識」なんだという実感が沸いてきました。

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シンクロの波状攻撃

廣川さんのメルマガに対する感想を、このブログでも紹介しましたが、その後も、不思議なシンクロニシティが続いています。

ユング派の心理学では、直観的な意識と行動が調和する過程を、「個体化」といい、ユングは、「個体化」された人間の意識のコミュニケーションを通じて、現実の出来事が形成されると主張しています。これがシンクロニシティです。

果たして、僕の意識は、「個体化」され、誰かの意識とコミュニケーションを始めたのでしょうか・・・。

さて、今回の一連のシンクロニシティは、どうも引っ越しと関係があるらしい。引っ越し魔の僕は、これまで20年間で、8回の引っ越しを経験してきました。
初めて東京の千駄木のアパートに引っ越しをして以来、

1.津久井郡の藤野町
2.相模湖町①

3.千葉県の検見川
4.花見川①
5.花見川②

6.津久井郡の相模湖町②

7.千葉県の北柏
8.そして、現在の市川。

グーグルアースの衛星写真で俯瞰してみると、2つの地点の往復運動を繰返していることに、気が付きました。東京の千駄木以来、引っ越し先は、津久井郡⇒千葉県⇒津久井郡⇒千葉県。

もしかすると、今年の夏頃、津久井郡に引っ越すきっかけとなるエピソードが、近々発生するのかもしれません。

さて、2~3年に1回のペースで引っ越しを繰返してきたわけですが、実は、引っ越しの度に、ふと立ち寄りたくなる、気になる店があります。

その店を初めて訪れたのは、千駄木時代。散歩の途中で見つけた、上野のチベット密教美術の古物商「多羅庵」です。

「多羅庵」では、仏画・仏像・法具・アクセサリーなどを輸入して、販売しています。
http://www.didisworks.com/

20年間で、この店で買ったものといえば、初めて訪れた時に、数千円で手に入れた、砂曼荼羅のポスター1枚だけ・・・。

その店の主人から、突如、はがきが舞い込んできたのです。

「多羅庵」は、上野から銀座に引っ越し、ここ数年は、店を閉めていたと、葉書に書いてありました。
http://www.didisworks.com/anjunokotoba.htm

ところが、「サガダワ」という、チベット暦でお釈迦様の誕生日にあたる5月30日に、店を新装再開することになって、土日だけの営業を始めるというのです。

5月30日、つまり昨日は、新しく設立した会社の仕事の打ち合わせでした。そして、設立記念パーティーくらい開かないとなあと、そんな話も出ていたのです。

新装開店の法要&食事会には、いけませんでしたが、なんとしても、早く店の様子を見に行きたいと、気持ちが急いてきました。そして、会社の設立記念パーティーも開かねば・・・。

ビジネスブログ系の内容としては、政治と宗教はタブーだと言われています。でも、どうしても書かずにはいられませんでした。

今日は、仕事、はかどりそうです。

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メルマガに潜む曼荼羅?

先日、会社の顧問の一人としてお世話になっている、廣川州伸さんが発行しているメルマガに、感想を送信しましたところ、メルマガ上で引用していただきました。

その数日後のこと。20年前に、僕が講談社に対して、メディアミックスに関する、商品開発のコンセプトを提案した時の資料が、書棚の奥からバサっと落ちてきました。

廣川さんに引用されたメールと、僕が作成した大昔のプレゼン資料の内容が、シンクロしていたため、久しぶりに、不思議な感覚に陥りました・・・
どちらも、仏教の世界観を象徴的に表現した曼荼羅から、「気付き」を得たものでした。
メールの該当部分を、改めて掲載します。

「ビジネス作家通信-仕事で幸せになろう!」
怒涛の365日連続第110号(2009年5月21日号)
発行:コンセプトデザイン研究所所長・作家・廣川州伸
http://archive.mag2.com/0000281725/20090521060000000.html

元NHK&テレビ東京ディレクターの芹澤比呂也さんから、本メルマガの感想と意見が届きました。ちょうど、火曜日のテーマを「サムライ交友録」に変えようと思ったときでした。火曜日の記事を読んで書いてくれたのか、たまたまシンクロしたのか、わかりません。でも、人にフォーカスする方針は、強化したいと思います。

◆メルマガ読んで再発見

3月の一時期、どういうわけか受信フォルダーからはじかれて、迷惑メールのフォルダーに入れられていたメルマガを、引っ張り出して読んでみました。

このころのメルマガは、特に、日常雑多ネタからの考察や、有名人がらみの教訓ネタが散見され、個人的には一番面白かったです。

何が面白かったかというと、人生経験豊かな人間が、さらにいろんな場所で、長い時間軸を経た人や物について、率直な「気付き」をわかりやすく語っている点です。

その対象は有名人でも、無名の市井の人々でも、また、自然であっても、人間がささやかな日常の中で、生き方に関わる叡智に触れたときの心の動きは、読むものの心を揺さぶります。

休みの日に散歩から戻り、ポスターを眺めながら考えてみました。「気付き」とは、心の動きの連鎖の数が多いエピソードほど、複雑で、味わい深いものになるのではなかろうか。

人間社会の中で営まれる、感謝や感動、悲しみや怒りなど、様々な感情の連鎖。さらに、その様々な感情が渦巻く人間社会を、あるときは荒々しく、またあるときは優しく、変幻自在に包み込んでいる自然。これらは、何重にも入れ子構造になった、曼荼羅そのものです。

僕の部屋には、胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅のポスターが、一枚ずつ貼られています。 それぞれ、空間と時間を象徴しているものだと、勝手に単純化した解釈で、朝と夜に、眺めています。

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2009年5月17日日曜日

段取り9割のビジネス成功術

北海道に住んでいる学生時代からの友人が、
自宅に遊びにやって来ました。

現在、大手物流会社の札幌支店に勤めていますが、新しい物流拠点が開設された関東地方に、応援のため長期滞在しているとのこと。

彼と私は、学生時代、巨大倉庫で数年間アルバイトをしていたことがあります。当時、ハンドリフトをキック・スケーター代わりにして、競争しながら、ピッキング作業をしたものです。 昼休みには、ダンボールの中に緩衝材をつめてぽかぽかにして、昼寝をして体を休めました。

その後、物流の仕事の美学に魅せられた彼は、一般家庭やオフィスのお引っ越しから、スーパーコンピューターの搬送まで、運送のプロとして歩み始めました。ありとあらゆるものを、安全に、確実に、保管・搬出・搬入するノウハウを蓄積していきました。

そんな彼が、運送屋として、一番大切にしている美学は、「段取り」だと言います。
運送の仕事は、「段取り」が9割を占めると。

雪深い北海道では、天気予報を見極めながら、いろんなパターンで段取りを組むそうです。搬入時間、搬入ルート、必用なスタッフの人数はもちろん、発注車両の選択など、いく通りもシュミレーションをして、当日に備えます。

特に、温度差に弱い精密機器を運ぶ時には、暖房装置付きのトラックを選ぶ必用があります。扉付近には、外気が入って、室温が変わらないようにカーテンも付いている特殊な車両です。

商品のあちこちを直接手で触って、異常がないか温度をチェックする、そんな職人的なスキルも求められる、過酷な現場です。

さらに、トラックが入れない大雪山系の山奥に物を運び上げる仕事もあるそうです。山の麓でトラックから積み替えて、その先は、ヘリコプターを使うしかありません。こんな時は、たった一回の搬入のために、まず、仮設する、発着用のヘリポートの候補地選びから、仕事が始まります。

北アルプスの穂高連峰のベース基地となる唐沢カールには、物資輸送用のヘリポートがありますが、登山客も多く、減価償却は充分に済んでいることでしょう。

ところが、登山客も足を踏み入れないという、一回限りの大雪山系のヘリポート・・・
コストと手間隙かけて、いったい、何を運ぶのでしょうか。

話を聞いて、なるほどと思いました。通信設備の中継局などは、想像を絶する山奥に作られることが多いそうです。実は、通話エリアの拡大競争でしのぎを削っている、携帯電話業者の設備です。

登山客の携帯電話需要に応えようとする狙いがあるのでしょう。
ちょっと古い話ですが、テレビの主題歌を歌う、中島みゆきの歌声が聞こえてきそうです。

同じものを同じ場所に効率よく搬入する、都会のルート便は、段取りがマニュアル化されていますが、運送業界には、マニュアル化できない、一発勝負の、段取りがものを言う世界があるということ。

そういえば、興福寺の仏像、阿修羅様が、奈良から上野の博物館に、特別展のため輸送された様子が、先週、テレビで紹介されていました。これまた、プロの仕事です。国宝に指定されている仏様に傷をつけるわけにはいきません。まして、輸送中に何かにぶつけて・・・
素人は、腕が折れやしないかと、ハラハラしてしまいます。

プロの仕事とは、本当に頭の下がるものだと、つくづく思います。自分の仕事も、段取り一番で、再構築してみます。

合掌。

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2009年5月14日木曜日

いいじゃないか、サブリミナルで

5月10日放送のNHK大河ドラマ『天地人』第19回「本能寺の変」の演出に対して、視聴者から「サブリミナル映像ではないか」とのクレームが寄せられたという報道を見ました。

「綺麗事ではこの世は治らん!」と叫びながら、織田信長が炎につつまれるシーンで、
本能寺が爆発し、死を覚悟する中、走馬燈に、風景や明智光秀の顔が、短い時間挿入されていた部分です。

サブリミナル映像は、人間が認識できないほど、ほんの一瞬、映像を滑り込ませること。もともと、広告表現の編集テクニックの一つとして、1957年にアメリカで生まれたというのが定説です。
映画館で上映する映画の中に、商品の購入を促すメッセージを入れたのです。

「コーラを飲もう」

「ポップコーンを食べよう」

メッセージを入れた時と入れなかった時で、比較した結果、
メッセージを入れた時の方が、売上げが伸びたと言われていますが、 信憑性については、賛否が分かれています。

北野武初監督作品の「この男、凶暴につき」では、
「DEATH」(死)というタイポグラフィーが滑り込んでいました。
日本の映画史上初となったサブリミナル手法です。
当時、青土社の月刊誌『imago』が大喜びで取り上げていました。
「ついに、たけしがやった!」と。

日産の四駆の自動車が、モニュメントバレー風の荒野をかっ飛ばすTVCMがありました。荒々しい鬼のような顔がチラッとはいった作品。あれはふた昔ほど前だったでしょうか。

サブリミナル手法を使った映像表現のうち、特に広告については、消費者自身が認識できない無意識の領域に働きかける可能性があると判断し、消費者保護の観点から、現在、規制の対象となっています。

しかし、学生時代に閾下領域広告(サブリミナル広告)に関する文献をあたったところ、思い込みの激しい「メディアセックス」という翻訳モノの一般書が出版されたくらいで、まともな研究は、なかったように記憶しています。
果たして、認識されていないメッセージで、無意識に働きかけることなんて、できるのでしょうか。

唯一、金沢工業大学が映像分野のサブリミナル手法を追試・研究していました。アメリカの映画館で実施された時と同じように、比較実験をしたのです。
その結果は“白”。サブリミナル手法そのものには、消費者へ購買動機を働きかける効果はなかったという結論です。

もともと、広告は、商品やサービスの購入を促したり、ブランドイメージを向上させることを前提にして作られています。そのことと、ひとつの表現方法であるサブリミナルとは、区別して考えたほうがいいんじゃないか。

動画に入り込むサブリミナル手法は、「カットバック手法」の一種じゃん、というのが私の見解です。
http://www.youtube.com/user/aoihasumi
(進化する市民農園)

いっそのこと、いまこそ、サブリミナル映像を解禁して、一つの表現手法として相対化してしまってはどうでしょう。

TVCMへの出稿が減少し、さらにDVD録画でスキップされるご時世です。
予め、視聴者に対して、これはサブリミナル映像が使われていますよと告知して、
番組はもちろんCMにもバンバン入れちゃう。

『ウォーリーを探せ!』みたいに、
『サブリミちゃんを探せ!』っていうのどうでしょう。

視聴者には必ず録画してもらい、何度も見てもらう。
後でスロー再生したり、コマ送りしたりしながら、
メッセージを見つけ出してもらう。
クイズに応える感覚で、プレゼントに応募する。
応募の数は、第二の視聴率の指標になるかもしれません。
アンケートを加えて、視聴質を調べるのもいい。

スポンサー企業は大喜びするに違いありません。

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「日本に健全な森をつくり直す委員会」始動

アウトドアライターの天野礼子さんと、養老孟司さんが中心となって、昨年結成された林業を産業化するプロジェクト、「日本に健全な森をつくり直す委員会」の現場が、いよいよ本格的に動き出します。

5月24日(日)、島根県・益田市の芸術文化センターで開かれるシンポジウム「21世紀を森林の時代に」は、マスコミや専門家、文化人を集めた、単なるシンポジウムではありません。現地の森を視察をしながら、ビジネス化に向けた作戦会議が開かれます。

22日(金)、23(土)、25(月)には、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」の出演で、一躍全国区となった“森林ビジネスの魔術師”、京都府日吉町森林組合の湯浅勲さん、林野庁長官内藤邦男氏も、足を踏み入れることになっています。

天野礼子さんの著書「日本の名河川を歩く」(2003講談社)の中で、彼女が日本一と評価した「清流高津川」。

それがきっかけとなって組織された「清流高津川を育む“木の家づくり”協議会」のプロジェクトは、「林野庁路網整備モデル事業」として、既に認定されました。これまでの林野行政を批判するだけでなく、何ができるのか、どう方向転換したら林業の産業化が叶うのか、その答えを出す、最後のチャンスだと思います。

知らないことやわかりにくいことを無理して単純化するだけでなく、大切なことや共感できることを素直に体験すること。そんな感覚を大切にする「21世紀の報道」のあり方について、思いをめぐらしています。

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2009年5月11日月曜日

           綿帽子



先日、 家の近くの道端に咲いていた草やタンポポを摘んで、


家に連れて帰りました。


手のひらに収まるくらいの、小さな備前焼の鉢に、


岩剣山で活けて、玄関に飾りました。


今朝起きると、タンポポは、


真っ白な綿帽子になっていました。


つい興奮して、鼻息がかかってしまい


綿帽子は飛び散って
ふわふわと飛んで行きました 。


今日は母の日でした。


いつもありがとうございます。


後ろに見えるのは、カレンダーです。




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2009年5月8日金曜日

ポストモダニズムの産業論

坂本龍一のソロアルバム「Out Of nOise(タイトルタポグラフィー ママ)」をしばらく聴き込んでいます。特に12曲めのピアノ曲「composition 0919」は気に入りました。

この曲は、右手の高音部と左手の低音部で響く、崩壊すれすれの二つの和音と、不思議な緊張感を作り出す、奇数の連符、ポリリズムのバリエーションで、畳み掛けられていきます。

ポリリズムのバリエーションは、一拍三連から一つ置きにアクセントを付けて、アクセント以外を休符にして、二拍三連に。あれよあれよという間に、一拍五連や二拍五連がでてきて、分けがわかんなくなったところで、再びインターバルの長いポリリズムに収斂しながら、最後は独立した和音の残響音がのこる構成です。
楽譜で確認していませんが、だぶんそうだと思います。

途中でややヒステリックなタッチで音が飛び出してくるものの、リズムそのものは、きわめて繊細で、抑制が効いています。
http://www.youtube.com/user/commmons

もしかしたら、神経を逆なでするように感じる人もいるかもしれませんが、次第にリズムのグルーブ感に陶酔できます。
ほんの少しのアルコールが入っていれば、すぐに飛べます。

この曲は、現代音楽的な自由さが印象的だという評価が多いようですが、
それだけでなく、日本的なリズムと、アフリカ系のファンキーなリズムがミックスされているところに面白さがあると思いました。

日本的なリズムと、アフリカ系のファンキーなリズム、この二つを見事につなぎ合わせた分かりやすい例があります。北野武監督の映画「座頭市」です。

映画のトップシーンで、数人の農夫が鍬(くわ)で田んぼ耕す場面が出てきます。
鍬の音がフェイドインして、振り下ろす鍬の動きと音がシンクロするところです。

鍬を振り下ろすリズムは、大工が使う木槌のリズムに引き継がれ、 エンディングのタップダンスのファンキーなリズムへと展開する、伏線になっていました。

ファンクキーなブラックミュージックの源流は、そもそも、アフリカ人奴隷の綿花の摘み取り作業をしたときの野良歌から来ているという説があります。
現在記録に残ってる古い歌詞に、My Dady rocks me with steady roll. というのがあって、これがR&Rの語源になっていると唱えている専門書を見つけました。

意訳すると「私の旦那は、私に、ぐりぐりしながら、ピストン運動をする」という下ネタです。このrock(揺らす)とroll(転がす)の頭文字をとってR&Rとなったという説です。

同じ農作業から発生したリズムでも、肉体に直結するブラックミュージックのファンキーなリズムと違って、日本のリズムは、もっとフェティッシュです。労働に関わる道具そのものに対する、少し屈折した愛情を感じます。

坂本龍一は、まるで、鍬(くわ)を振り下ろす農夫のごとく、木槌で家の柱のほぞを組む大工のごとく、心地よくピアノを弾くのです。

日本のモノ作りの強さの源流は、道具に対する深い愛情にあるのかもしれないと、ふと思いました。

以下、もう一度、お聴きください。
http://www.youtube.com/user/commmons

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2009年5月1日金曜日

村上龍のJMMより

村上龍が発行しているメールマガジンで、彼の親友だという、坂本龍一についてアップされています。坂本龍一の5年ぶりのソロアルバム「out of noise」をリスペクトしていますが、その熱の入り方が、はんぱない。「out of noise」とはいったいなんだ?

数年前にリリースされた「エレファンティズム」
http://www.tbs.co.jp/p-guide/video/dvd_books/index-j.html
というDVDブックでがっかりして以来、坂本龍一には、興味をなくしていましたが、久しぶりにCDを買ってみようという気になりました。
これでGWを過ごしてみようと・・・。

ピーんときた方は、以下より、メールマガジンを登録して、
最新号の[JMM529Ex2]坂本龍一『out of noise』特別号を
是非ご覧ください。
CD聴く前に、まず、村上龍の思いに感動してしまいました。

優れた音楽評論です。

http://ryumurakami.jmm.co.jp/

(敬称略)

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2009年4月30日木曜日

岡山県西粟倉村、いってきました

岡山県の西粟倉村に行ってきました。
「西粟倉村共有の森ファンド2009」の現地説明会です。
参加者の中には、東京から駆けつけた人もいて、
想像以上に関心の高い様子が伺い知れました。

集合場所となったローカル線の智頭急行「大原駅」の前では、傘を片手に20名以上の人が集まっていました。

しょうしょうと小雨が降りしきる中、清流の脇には、大阪から移住した家具デザイナーが建てたモデルハウスも完成していました。金物を一切使わない工法で、2階建て35坪で2000万円。全て地元の木材を使っています。オーナー自ら、庭先には露天風呂を作っていましたが、近くには、温泉が2箇所もあって、観光地としても穴場的な興味深い村です。

補助席も一杯になったマイクロバスでは、村長自ら林業再生にかける意気込みを語っていました。投資家と言うよりも、村のファンを作る感覚です。マスコミ関係者は、ローカルテレビ局一社と、日経新聞・証券部の若手記者が参加。日経では個人投資家の新たな投資商品のひとつとして、近く、特集記事を展開すると言っていました。

いよいよ動き出しそうな気配です。

林業の運営母体となるトビムシの竹本社長によると、一口5万円で、およそ1億円を集める計画とのこと。資金は、主に最新鋭の「ハーベスタ(収穫機)」購入資金に当てられます。ハーベスタとは、木を切り出して、枝打ち、カッティングまで、コンピュータ制御でできるキャタピラ付きロボットです。大型ユンボの先に特殊な装置が取り付けられています。機械化が遅れている日本の林業にはなくてはならない、最低限のインフラです。

たしか、以前に、船井総研の二代目と長野県の木材店が共同で、急斜面でも使え、小回りがきく林業ロボットを、ポケットマネーで開発しようとしたことがあると聞いたことがあります。今後は、日立建機など、専門メーカーが本気で取り組んで、あっと驚くようなロボットを開発してもらいたいなあと思いました。

京都銀行頭取の柏原康夫氏は、昨年7月に「日本の森を守る地方銀行有志の会」を立ち上げ、全国の地銀に呼びかけています。現在、参加行は、64行中で56行と、大きな広がりを見せています。今年12月には京都で各地銀の頭取が一堂に集まってサミットを開く予定です。ヒト、モノ、金の、新たな流れができれば、意外と早く、林業再生は実現するかもしれません。

国土の3分の2を森林が占める日本では、安い輸入材に押されて衰退した過去の産業だと、勝手に敗北主義に陥って、森林は放置されてきました。林業はそもそも、先進国で盛んな産業です。ドイツでは林業関連の雇用は100万人規模。日本の自動車産業に匹敵する規模です。トヨタの林業への取り組みは、CSRという位置付けに留まっていますが、今後、本格的な事業化が待ち望まれます。

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2009年4月24日金曜日

いざ、岡山県西粟倉村へ

明日は、楽しみにしていた岡山県・西粟倉村への小旅行です。
道のりを考えると、充分“大旅行”です。
http://www.amita-net.co.jp/info/amita-now-20090408-000746.html

でも、家の近くのスーパーにバナナを買いにいくような気分で
ふらりと出かけたい・・・

以前、都内でサラリーマンをしていたときに、
神奈川・県津久井郡・相模湖の湖畔で暮らしていたことがあります。

毎日繰り替えされる通勤の行き帰りを、小旅行にすることで非日常化する。そして、少しのアルコールと本をザックに詰めて週末の単独登山行を毎週繰返す生活を日常化する。 こうした日常と非日常の逆転が、自分の精神を再生してくれる唯一の方法論でした。

さて、明日の朝出発することになった西粟倉村には、ウエブカメラが備え付けられていて、村の公式ホームページから24時間アクセスできる仕掛けがあります。
http://ns.vill.nishiawakura.okayama.jp/

もともと、訪れる観光客などが積雪の状況を確認するために備え付けられたようですが、実は、現在、日本全国の山村に高感度ウエブカメラを備え付け、新たなエンターテイメントのポータルサイトを開設する準備を進めています。 カメラ設置場所は、最終的には、1000箇所を目指したいと考えています。

アクセスするユーザーは、各地のランドスケープはもちろん、一本の杉の木や、畑のナスの花など、四季折々・24時間リアルタイムの映像を閲覧しつつ、データベースに溜め込まれた過去のデータをクリックひとつで早送りしたり、巻き戻したり、スロー再生したり、加工したり・・・。そんなシステムを開発するプロジェクトです。

NKHが莫大な資金をつぎ込んで制作しているような、ネイチャー系のドキュメンタリー映像を、市民が自由にカスタマイズして楽しみ、都会と地方都市の新たな関係性を築き上げ、新たな農商工連携ビジネスを構築することが目的です。

膨大なデータベースの管理は、グリッドコンピューティングというIT技術をもつベンチャー企業に応援してもらいことにしています。地方自治体や、農業生産法人、森林組合の方たちとの交流を深めながら、3年以内に事業化したなあ。

今夜は、小学生の頃、遠足の前の日に興奮して眠れなかった日と同じような一夜を過ごすことになりそうです。

(5月6日放送予定のNHKスペシャルで西粟倉村が登場するそうです。)

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2009年4月23日木曜日

急ですがセミナーの知らせ

コンセプトデザイン研究所の廣川州伸さんの講演が突然、、決まりました。

ホントに急・・・。



こんなに急でも人が集まるんだからすごいなあ。



概要は以下の通りです。取り急ぎ、ご参考まで。



4月28日(火) 廣川州伸氏ミニ講演会 +交流会
「ゾウを倒すアリになれ!」        

~今すぐできる、仕事力を高めるとっておきの方法~

<会場>
東京都渋谷区恵比寿1-22-20恵比寿幸和ビル7F 
セミナールーム・セブン
http://www.stylement.co.jp/seven/access/index.html

<会費>
8000円(交流会参加費含む)

<講演>
18:30~19:30

<交流会>
19:30~21:00

<参加者>
20代~30代半ばのビジネスパーソンやベンチャー経営者等

<主催>
- Professional Partners Inc -
プロフェッショナルパートナーズ株式会社
担当:永峯 崇 《 Takashi Nagamine 》
Mail :nagamine@propartners.co.jp
Tel:03-5332-5322   Fax:03-5332-5323
URL :http://propartners.co.jp/

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2009年4月19日日曜日

諦めるわけにはいかない

まるで初夏のような陽気を浴びながら、横浜にある緑地帯で、ここ数十年あまり見かけなくなってしまった「和タンポポ」の群生地を発見しました。

「和タンポポ」は別名、「関東タンポポ」とも呼ばれていますが、現在、道端で見かけるほとんどのタンポポは「西洋タンポポ」です。


見分け方は簡単です。


「西洋タンポポ」は花の下にある萼(がく)がめくれてカールしていますが、 「和タンポポ」はぴったり花びらに寄り添っています。

「和タンポポ」の周りで、キャッキャと声を上げて走り回る幼い兄妹。実は一ヶ月ぶりに僕の子供たちと遊びました。赤と緑の補色関係に塗り分けられた滑り台と、小さな砂場、ロープにぶら下がってターザンごっこができる遊具もあります。今日も横浜のランドマークタワーが少し霞んで見えました。 素敵な丘陵地帯です。

隆起した芝の真ん中あたりにある小さな窪みでは、土鳩に混ざって、茶褐色の模様の羽を持つ山鳩が日向ぼっこしていました。見上げると、梢の間からは、スズメ、ホウジロ、ウグイスも気持ちよさそうに縄張りを主張していました。

長男は今年で6歳、娘は4歳になりますが、
わけあって、今はママと一緒に生活しています。

夕焼け小焼けで陽が傾いて、少し肌寒くなって。
帰り際、娘が僕の耳元で小さな声で囁きました。

「私は鳥さんなの。だからお話できないの。心の中でお話しするの。」

「そうかあ。うん、うん、聞こえるよ。
でも小さな声だからちょっと聞こえにくいなあ。
なんていってるんだろう。」

「えーっとねえ・・・明日も来てね。」

娘は急いでマンションの階段を駆け上がると、踊り場でつまずきました。
はっとしましたが、娘は振り返らず、ドアを開ける音だけが聞こえました。

子供たちの身近な環境も、日本の国土を覆っている、本当は豊かなはずの環境も、 同時進行で、なんとか諦めずに、できることをしなければと、そう考えました。



穏やかで切ない一日に感謝。




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2009年4月14日火曜日

林業再生に必用なこと

4月13日(月)、東京・六本木で第三回「日本に健全な森をつくり直す委員会」が開かれました。


昨年結成されたばかりのこの委員会は、森と川と海のつながりを取り戻そうと各地で社会実験を展開しているアウトドアライター、天野礼子さんが事務局長を勤めています。

(←初めてお話しましたが、てきぱきしていて、気配り上手で、やさしいお姉さんと言う感じでした)




http://www.the-journal.jp/contents/amano/2008/11/post_67.html


委員長の解剖学者・養老孟司(東大名誉教授)さんをはじめ、C.W.二コルさん、立松和平さんなど著名人のほか、研究者や林業関連の現場のトップランナーが顔をそろえています。


会場には民主党の菅直人(民主党代表代行)さんも駆けつけ、参加者による意見交換も。菅さんには政治生命をかけて林業再生について取り組んでいただきたいと思いました。


林業再生を実現するためには、まず文化的アプローチ、経済的アプローチを先行させて結果を出し、政治家が関わりたくなる状況を作る必用があります。多分ここ1年が正念場。


参加された新聞の論説委員の方々やテレビ番組のプロデューサーの方には、是非報道ベースに乗せていただき、日経新聞は経済的可能性を徹底的に論証しながら取材してほしいと思いました。


夜の懇親会では、日本の林業の理論的な柱となる梶山恵司さん(富士通総研)のプレ出版記念パーティーも開かれました。GW明けには発行の見通しとのこと。2年越しの労作。ベストセラーを祈念いたします。


梶山さんは経済同友会の森林ワーキング・グループで大活躍し「森林再生とバイオマスエネルギー利用促進のための21世紀グリーンプラン」(2003年)の取りまとめにも関わった若手研究者です。
昨年、テレビ番組で林業を特集した際には専門家のインタビューとして取材のご協力をいただきました。
ドキュメンタリー番組として再度企画したい。
僕自身の構想も一歩進めていきます。

2009年3月28日土曜日

子供、会社、日本経済の共通点とは・・・

昨夜、ある宴席に顔を出しました。送迎会の立食パーティーです。
自分が直接お世話になった方々が多数参加するだけでなく、主賓が一児の働く母親だったため、いろんなことを考え込んでしまいました。

現在、私の子供たちはママと生活しているため、ひと月に一回程度「面会日」という形で会っています。土曜日に遊びにくる予定だったのですが、風邪を引いてしまったため急遽キャンセル。そんなわけでパーティには少し暗い気持ちで参加することになりました。

一緒に過ごすたびに豊かな表現になる言葉使いに感心したり、細かい粘土遊びや切り絵に夢中になる姿に驚いたりと、日々成長する子供たちの姿は「感動」の一言に尽きます。
「少しだけ我慢ができて自分の好きなことを探し出すことができる大人になってもらいたい。」これが父親としての子供に対する願いです。

別に自分の子供だけが成長するのではなく、一定の環境さえあればどんな子供でも自立的に成長していきます。自分がいつも近くにいないことが今後どう影響していくのかは正直・・・少し不安です。でも多分大丈夫。

事業を立ち上げる人やアントレプレナースピリッツ溢れるビジネスパーソンの方々にも同じことが言えると思いました。法人はその存在そのものに価値があり条件を整えることで自立的に成長していくものだと思います。

人間の営みも企業の営みも理念や夢が一番大切なんだと、多くの人が考えるようになって行動すれば、日本経済の風邪は明日にでも治るような気がしました。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
コンセプトデザイン研究所・廣川州伸所長の緊急セミナー
「逆転の発想で不況に勝つ!~ゾウを倒すアリになれ~」
●4月22日(水)ビジョンセンター秋葉原(神田郵便局隣)
⇒5月28日(木)に変更になりました。
●18:00開場18:30開演
●6000円で軽食&交流会も準備しています。
●3人以上でお越しくださったグループは1000円引き
問い合わせホットライン:090-6496-3067(芹澤)
㈱イーネット・ブレーンHP告知
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廣川氏へのインタビュー
http://www.enb-inc.jp/category/1286486.html
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

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2009年3月25日水曜日

チェス⇒将棋⇒囲碁で事業の達人に!②

「あなたの会社はチェス型?将棋型?囲碁型?」

専門家によると、囲碁の世界だけはコンピューターに人間が負けることは当分の間ないそうです。
碁石は碁盤の中で自由気ままに領土を作りながら、しかし、同時にいとも簡単に自分の領土を明け渡して放置したかと思うと、こんどは相手の領土へいつでもポンっと入り込んで、いつのまにか自分の領土にしてしまう。そのプロセスは、常に浮遊するポストモダニズムのような世界です。戦いの始まりも終わりも曖昧です。



西洋発祥の「チェス」型ビジネスから日本の「将棋」型ビジネスへ、そして世界的な不況が広がっている現在は、東アジアが発祥の地と言われている「囲碁」型ビジネスが躍進するかもしれません。
大企業の役割りは大切ですが、これからはベンチャー、中堅企業が経済を活性化する大事な役割りを担う時期に差し掛かったと思うのです。 M&Aのあり方も変わってくるでしょう。



こうしたビジネスの世界での文化の変遷は、4月22日に開催が決まったビジネスセミナーの講師、廣川州伸氏の著書「ゾウを倒すアリ」のテーマとも共通しています。対戦の前提となるルールが変わればこれまで強いと思われていた側と弱いと思われていた側が容易に逆転する可能性があります。
まともにぶつかっても勝ち目のない相手とは「空を飛び、時間を越える戦術」で戦おう!とプロパガンダしている廣川氏が提唱する「四次元の経済学」とはいったい何なのか?



居酒屋チェーン、ばね工場、クリーニング店・・・巨像のような大手を倒したアリのような中小企業15社の成功の秘訣とは? 日本の中堅・ベンチャー企業の経営者や起業家を目指す人たち、そしてアントレプレナースピリット溢れるビジネスパーソンの底力に拍手喝采です。

詳細は、是非ビジネスセミナー会場に足をお運びください。



コンセプトデザイン研究所・廣川州伸所長の緊急セミナー

「逆転の発想で不況に勝つ!~ゾウを倒すアリになれ~」

●4月22日(水)ビジョンセンター秋葉原(神田郵便局隣)
⇒5月28日(木)に変更になりました。

●18:00開場18:30開演

●6000円で軽食&交流会も準備しています。

●3人以上でお越しくださったグループは1000円引き



問い合わせホットライン:090-6496-3067(芹澤)



廣川氏へのインタビュー

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2009年3月22日日曜日

チェス⇒将棋⇒囲碁で事業の達人に!①

「あなたの血液型はA型?B型?O型?それともAB型?」
僕はA型です。昨年久しぶりに血液型本がべストセラーになりましたが血液型神話はいまも日本では続いていたのですね。
旧日本陸軍で血液型によって配属を決めようと考えた軍医がいたために戦後論争が起こったのは今は昔。その後の研究で完全に血液型とパーソナリティの因果関係は否定されて決着済みです。
とは言っても、この本の著者にも買った人にもいちゃもん付ける気は毛頭ありません。結構楽しい本ですから。血液型はネット上のプロフィールのなかにもよく登場します。
この現象は根拠のない血液型類型論を戦略的に楽しむ知性といってもいい。拍手喝采です。

「あなたは犬型?ネコ型?」
この質問は「あなたは犬が好きですか?猫が好きですか?」という質問とあわせると、その人のキャラがわかるので楽しいです。
たとえば2つの質問の答えが「自分は猫型・好きなのは犬」の場合は、「束縛されたくないけど人を支配したい」と考えている人が多いように感じます。4つのタイプにはっきりと類型できますのでメモしながら整理してみてください。
ちなみに僕は犬と猫両方とも大好きで、実は生き物全部が好きです。このタイプの人にはよりくくりの大きな言葉で質問をたたみ掛けます。

「あなたは動物と人間どちらが好きですか?」
「あなたは有機物と無機物どちらが好きですか?」
「あなたは自然と人工物どちらが好きですか?」
・・・・・・・
・・・・・・・

「あなたの会社はチェス型?将棋型?」
実はこれが今一番気好きな質問です。この質問の奥は深いですよ。ビジネス・トレンドからポストモダニズムの現代思想まで貫く象徴的な設問だと思うからです。
チェスはチェス盤に区切られた空間の中で役割りを与えられた駒が決められた動きの中でガチンコ勝負する戦い。

一方、将棋はもう少し複雑で取った駒を再度将棋盤にワープさせて参戦させることができる、より複雑な戦いになります。この差は大きくて、コンピューターVS人間の知恵比べでは、チェスは人間が負かされますが、将棋ではなかなかそうはいきません。人間の持つまだ解明されていない思考回路の方がコンピューターの演算処理能力を上回っているわけです。

しかし、将棋が趣味の算数教師の友人は「いつか将棋の世界も人間がコンピューターに負ける日が来るだろう」と言っています。日本将棋連盟では将棋の権威を守るために、現在プロ棋士に対してコンピューターとの対戦を禁止する措置をとっているそうです。近い将来、将棋の世界で人間を負かしたコンピューターはいったいどの世界で人間と勝負するのでしょうか・・・。

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2009年3月19日木曜日

ゾウを倒すアリ

緊急ビジネスセミナーが4月22日に決定。
⇒5月28日(木)に変更になりました。

売れっ子経営コンサルタントのコンセプトデザイン研究所、
廣川州伸所長にようやくスケジュールをあけていただきました。
休日には絵画制作に励む芸術家でもある廣川氏ですが、
これからはもう少し本業(?)に専念していただきます。
今回は、彼の著書20冊の中で特に興味深いビジネス書の
「ゾウを倒すアリ」をモチーフに 。
逆転の発想で不況に勝つノウハウ満載の
元気が出るセミナーになります。

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2009年3月17日火曜日

つなぎ合わせること

久しぶりに長い連休をとった今日は
六本木での打ち合わせを終えて
神谷町のテレビ東京に立ち寄ってから
銀座のとあるビルに向かいました。

日本一の立地に広がる空間を世界メディアと位置付けた時、
いったい何が生まれるのか。
7年後を目指した事業が立ち上がるかもしれません。
事業は「エッジのきいた理念」と、
「力のあるコンテンツ」と、「受け手」の3つが
はっきり見えた時が出発点になる。

一見常識はずれでも、ばらばらに見えても
3つを妥協しないでつなぎ合わせるプロセスが
新しい価値を生む。
妥協さえしなければ方法論は無限に広がっていく。
この単純な逆説をビジネスドメインといいかえてもいい。

人生の大先輩と話をするうちに心の持ちようが
ふんわりと軽くなっていきました。

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2009年2月23日月曜日

映画「シリアの花嫁」

土曜日から岩波ホールで公開中の
エラン・リクリス監督の「シリアの花嫁」を見てきました。

映画の舞台はゴラン高原北部の町。
ゴラン高原は第三次中東戦争(1967年6月勃発)で
イスラエルによって占領されたシリア領です。
領土をめぐる複雑な歴史を知らなくても
巧みな構成で味わえるので心配は要りません。
内容はタイトルから受ける第一印象そのままです。
家族、国家、民主主義、いろんな幻を追い求める男達と、
それとは裏腹にたくましく生きるリアルな女達よ・・・という作品。

パンフレットに寄稿している翻訳家の
金原瑞人氏(芥川賞作家金原ひとみの実父)の
言葉も一見の価値アリです。

明日会うナジーブさんは確かシリア出身。
この映画をご観になったでしょうか。

取り急ぎ。

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2009年2月20日金曜日

ナイスなカメラワーク&編集

http://vimeo.com/3067301?pg=embed&sec

Shirley と Samuel、誰だか知らんがいい味出てます。
程よくラフな編集のセンスとカメラワークの浮遊する感じも好きです。

動きのシンメトリーやドリーのタイミングはカチッとしているし、
ラフなズームイン&アウトのカットも丁寧に切り取っています。
センターずらしたフレーミングはスチールカメラマン的な匂いがする。

ステディーカムもスタビライザーも使ってないでしょうに
機材は何で撮ってんだろう。
カメラマンに言っても「浮遊する感じ」が なかなか伝わらない。
いいサンプル見つかりました。

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2009年2月19日木曜日

スイーツと酒

今年創業40周年を迎える芦屋生まれのフランス菓子
アンリ・シャルパンティエの「2009春パリ・コレ」を
“見に”、“食べに”、そして“飲みに”いってきました。
3月から2ヶ月間だけ全国3箇所で限定発売される新作のお菓子です。
その発表会場は、オートクチュールの高級ブティックみたいな
アンリ・シャルパンティエ銀座本店。

地下にあるトイレは「開け~ゴマ」というと、
自動で扉が開きそうな隠し扉の向こう側にあります。
僕ら3人組の座った席の正面の赤いソファーは
伸ばしきった屏風のフレームにアールを付けたような
背もたれのやたら高いデザインでした。

<フューシャ>

<フューシャ>はアカバナ科の低木「フクシア」の
花の赤い色から銘銘されたそうです。
ドレスの色使いの呼び名としてはオーソドックス?
RC造(鉄筋コンクリート造)のオフィスビルみたいなフォルムをしていますが
おフランスでは静かに横に倒してフォークとナイフでいただくそうなので、
それに習って食べてみました。すると、ナッツの香りにドッキリ。
割り箸でチビチビつまみながら、

亀山酒造の超辛口の熟成純米酒「ひこ孫」
が飲みたくなりました。


<イヴレス>

「陶酔」を意味する<イブレス>は、
固焼きせんべいみたいにカリカリに焼き上げたカップに
メロンとサフランの香りが柔らかく口いっぱいに広がります。
歯ごたえのギャップの
カウンターパンチをくらってめまいが・・・
フォークで応酬するも、カップには刺さりませんでした。



<ババ・ローズ>

こちら<ババ・ローズ>もクリームの甘さの中に
カシスの酸味とバラとジャスミンが香る不思議な一品。
待ってました!と注がれた辛口のシャンパンと一緒に口に放り込むと
暗闇の中で後頭部をいきなり鈍器で殴られたような衝撃が走りました。
アルコールを含んだ炭酸がクリームに絡んでくるのです。
純米酒の「ひこ孫」でもう一度試してみたい・・・。

http://www.youtube.com/user/aoihasumi


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2009年2月17日火曜日

日本と産油国(2)

確か去年の夏のこと。
クウェート政府がフィリピンやミャンマーなどアジアの8カ国に
合計270億ドル(約3兆円)以上を投資することを決めたと
日経新聞が報じていました。
主に政府系ファンドのクウェート投資庁を通じて、
食糧確保のために農業関連に投資するという内容でした。
先月、そのクウェートが日本との間で合意に達した
租税条約締結の流れとあわせて今、感慨深いものがあります。

感慨深さの原因は、実は落第ぎりぎりで卒業した
高校生の時の記憶にあります。
脳梗塞でいつも調子が悪くて、
3回に1回は休講になっていた世界史の先生の授業。
いつもメソポタミア文明しかやらないけど唯一眠くならない授業でした。
ヒントを出しながら、地図帳でマニアックな地名を探させて、
早いもん順に教壇で採点、正解者は順に
「カルチェラタン」という喫茶店にしけこんでいました。

ビールを片手に久しぶりに地図帳を開いてみました。
イラクとそのお隣りに位置する
ぺルシャ湾岸の小国クウェート辺りは、
紀元前3500年頃に栄えたという
かの有名な「メソポタミア文明」発祥の地。
世界初の百科事典や世界初のビール、
バベルの塔やノアの箱舟のモデルも
この地の文化から誕生したものです。
そして、ティグリス、ユーフラテス川の間の肥沃な大地では
農業が営まれていました。

当時、この農業生産性がずば抜けて高かったといいいます。 
たとえば1粒の麦を播いて、
20倍から80倍の収穫があったとうから驚きです。 
5000年たった現在でも、ヨーロッパで15倍、アメリカで23倍。
この驚異的な生産性で都市住民の胃袋を満たし、周辺の地域に輸出、
シリアなどからは杉を輸入していました。

ところが、旧約聖書やギリシャ神話にも影響を与えた
「ギルガメシュ叙事詩」の研究によると、
当時のシュメール人が灌漑農業を無理に 進めたため、
塩害が広がって耕作地が砂漠化したといいます。
シリアの森も切りつくされ消耗したと・・・。

宮崎駿のアニメ映画『天空の城ラピュタ』の舞台は
シリアの町だといわれていますが、シリアの森も
『もののけ姫』の舞台になっているという人もいます。
通説では『もののけ姫』の舞台は
屋久島の白谷雲水峡だといわれていますが、
僕は世界各地の世界史レベルから日本固有の文化に落とし込む発想が
宮崎アニメに潜んでいてもおかしくないと思います。
農業と林業の交易について良書があれば是非教えてほしいです。

つまりメソポタミア文明は、
第一次産業の資源蕩尽の結果、滅んでしまったというお話です。

現在ではクウェートに限らず、
中東の産油国の多くは、既に石油の枯渇を見越して、
農業資源の確保に走っています。
バブルがはじけたドバイでも農業に強い関心を持っているのは
農業技術通信社の浅川さんや昆さんがリポートして、
サンデープロジェクトでも特集されたとおりです。
(ちなみに浅川さんは小池百合子の後輩、カイロ大学出身)

さらに、アメリカの大富豪の投資先が
既に世界中の農地になっていることは皆さんご存知でしょうか?
これも農業技術通信社が月間「農業経営者3月号」で報じています。
この傾向はますます活発化していくでしょう。
第一次産業に関わる資源をコントロールできる技術者や企業が
富を得る時代がやってくると言うわけです。
日本人は身の回りにある自然環境と第一次産業に関わる技術に
もっと自信を持ったほうがいい。
NGOや民間任せではなく、組織的な国家戦略としても
人材を育成しないともったいない。
第二の都市鉱山を有効活用することも大切ですが、
第一次産業の宝の山が日本国土を覆っているんだから・・・。

産油国は代替エネルギーだけでなく、
第一次産業の強い国との関係強化を望んでいます。
“第一次産業に強い日本”を世界に発信することが、
エネルギー安保にも食糧安保にもつながり、
しいては世界の安定にもつながるかもしれない。
憲法第9条も、そのまんまでもいけるんじゃないか。
「美しい国日本」なんて抽象的で全然わからない。
「グリーンニューディール」なんていまさら当たり前だろう。
日本の本当の経済的価値を右翼も政治家も
理解していないんじゃないか。

ま、しょうがない・・・その辺は潔くあきらめましょう。


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2009年2月14日土曜日

日本と産油国(1)

クウェート国営テレビのプロデューサーの
ナジーブさんから電話がありました。
彼は通信社の記者もしていて、
「阿賀に生きる」で知られる佐藤真監督の助手も勤めています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/佐藤真
最近までクウェート大使館の広報官もしていた人物で
イスラム金融について取材したのが縁で、
パーティーで再会することになりました。

先月、日本とクウェートは、                                             
お互いの企業進出などを促す租税条約を締結することで                           
基本合意しました。今後、企業への課税が軽減されます。                        
日本が中東の産油国と租税条約を基本合意したのは初めてのことです。

生活者の目線で「文化」に触れながらを「経済」をみつめていれば
「政治」の混乱にまどわされる必要はないですね。
とはいうもののアラブ問題は難しい。

アラブアジア文化交流協会の会長としても活動している
ナジーブさんと会うのが楽しみです。

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2009年2月4日水曜日

国産材に乾杯(3)

日本の林業に新たな動きが2つ出ています。

まず一つ目は 、
「林業再生」のための日本初の事業が始まるという話。
ある地域で全ての関係者が結集しました。
森林資源を計画的に伐採して、
間伐した細い木も捨てずに利用する計画です。
林業再生で最近注目を集めている京都の日吉町ではありません。
ごめんなさい。残念ながらまだ詳細は話せません・・・。

もう一つも歯切れが悪いのですが、未確認の動き。
どうやら、外国資本が日本の森を買い始めたということ。
狙いは木材資源というより水資源確保ではないかという噂です。
となると、水の貯蔵タンクとして力を発揮するブナ林?
日本の水のブランド化→海外マーケット?
富士山麓、南アルプス、鳥取の大山、九州の阿蘇では
既に日本の飲料メーカーなどが水源地を確保しています。
でも今回の外資はどうやら全く別の地方に目を付けたとのこと。
(ということは東北地方かあ・・・?)

山地は農地と比べると
資源として管理するという発想が法律上弱いという問題があります。
持続的に資源として活用するための
計画的な伐採の法規制もなく水利権についても曖昧。

今後、森との関わりを
経済的な側面で理解して管理していかないと
混乱がおきるのではないかと心配になります。
昔の「環境」や「農業」の問題もそうですが、
ロマンティックな側面だけでイメージを固定していては
取り返しのつかない「もったいない」ことになるのではないかと心配です。

なにやらいやな予感がしてきました・・・。

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2009年2月3日火曜日

国産材に乾杯(2)

山歩きが好きな人は経験があると思いますが、
標高1000m程度の山から景色を見渡したとき、
色の変化に気づきます。それは自然林と人工林との境目。

一昔前まで、僕は植林された針葉樹よりも、
紅葉やこんもりとした樹形で目を楽しませてくれる
広葉樹に愛着がわいていました。
ところが最近では、杉や檜などの針葉樹がいとおしく感じられます。
人間の手が加わった人工林が
貴重な資源として大切に引き継がれているんだなあと思うわけです。

ただし、多くの人工林は放置されたままで、
ひょろひょろの木が多く、荒れた森が増えています。
この状況は待ったなしの危機的な事態です。
人工林は植林後に間伐といって間引きをしてあげないと、
光が入らない暗い森になってしまい、
元気な木が育たなくなってしまうのです。

放置された森が増えたのは林業が衰退したため。
戦後、急いで住宅を作るために人工林の多くを
無計画に切り出してしまった日本は、
その後あわてて植林に励みましたが、
安い輸入材に押されるようになって
地主の気持ちも離れて担い手も減ってしまいました。

膨大な税金をつぎ込んで植林をしてきた木が
50年経ってようやく使える時期を迎えていますが、
このままではせっかくの資源がだめになってしまいます。

「安い輸入材に押されて衰退してしまったのだから
しょうがいないじゃないか・・・」とあきらめるのは早とちりです。
実は国産材は輸入材より既に安くなっています。
アジアやロシアなど主な丸太の輸出国が資源を確保するために
関税を引き上げていることが大きな原因になっています。
たとえば来年1月にはロシアは80%の輸出関税を予定していますが、
これは事実上の禁輸措置。
否が応でも国産材を有効利用しなくてはならない時代が
やがてやってくるわけです。

安定供給する仕組みがないため、安くてもなかなか使ってもらえない、
コストの壁が打ち破れず利益がでないため担い手が少ないという
厳しい事情もありますが、なんといっても
安くて、丈夫で、高機能。
3拍子そろった国産材のマーケットの可能性は
計り知れないものがあります。

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2009年1月31日土曜日

国産材に乾杯(1)

伊勢神宮や明治神宮に木材を納めているSさんに会ってきました。
めったに入る事ができない明治神宮内拝殿で
「包丁初め俎板(まないた)開き」
http://wakabart.exblog.jp/2616418/

という儀式があったので 急遽お邪魔することに。

Sさんは儀式で使われるまな板の木を毎年奉納しています。
国産材は輸入材に比べて虫に強く、腐りにくく
空気の浄化作用もあるといわれています。
現在科学的な検証が進行中ですが、
びっくりするような結果が来月あたり出る見込みです・・・。
Sさんは伝統儀式に使われる高価な材木だけを
提供しているだけではありません。
一般向けの住宅を対象とした建築業も営んでいます。

木造住宅の建て方としてよく耳にする「在来軸組み工法」は、
金具や釘、斜に補強する筋交いを使います。
ところが“在来”とは名ばかりで、
戦後、大量生産の住宅産業向けに国が誘導した
いわば“簡易住宅”の工法。

一方Sさんがこだわる「伝統木構造」では
金具や釘、梁は使いません。
強度は鉄筋コンクリート造を上回り、
建築コストも2割抑えることができるため、
住宅だけでなく、幼稚園、工場など大きな建物にも通用する技術。
もっとも神社・仏閣にも使われてきた建築技術ですから
経験則として 丈夫なのは当たり前ですね。

こんな夢のような技術がなぜ見過ごされているのでしょう。
実は建築基準法がネックになっています。
戦後、住宅の大量生産を目指した国が作った
建築基準法では想定外の工法で、
建設の許可を出す役所の担当者がなかなか理解できないのです。
審査に時間がかかれば客もあきらめざるを得ません。
2年前の建築基準法改正の時に役所が混乱することで
着工件数が落ち込んで 「官製不況」ともいわれましたが、
国産材にこだわっている業者や消費者は
それ以上の不利益を戦後ずっとこうむってきたわけです。
なんともお粗末な状況に腹が立ってきます。(続く)

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