2009年11月11日水曜日

三方良しのビジネスモデル

 東京・日比谷で同窓生と久しぶりに飲みました。中には20年ぶりに再会した友人も。ゼネコン、防衛省、広告代理店など、みんな巨大組織の中でしのぎを削っている連中ばかりでした。

 外資系金融機関に勤めるTとは2年ぶり。日本の金融機関がどんなにがんばっても追いつけない、動産担保融資のスペシャリストです。彼の会社は、小売業の商品在庫や工場の生産設備などを的確にデューデリして融資案件を進めたり、債権が回収できなくなった時は、海外にも広がる販売ネットワークを使って売却します。

 酒の肴に仕事の説明をしても、
「ハゲタカファンドみたいなもんだろう?それともバッタ屋か(笑)」
未だに外資アレルギーが抜けきらない日本では色眼鏡で見られると残念がっていました。

 買い叩いて売り飛ばす・・・?

 いやいや、この会社の業務はそんな単純なものではありません。強みは、その優れた査定ノウハウにあります。
日本のリレバンが動産担保融資に力を入れ始めたといっても、その実態は売掛債権担保融資がほとんどです。確実にキャッシュインすることがわかっている動産担保しか扱えない。

 ところが、彼の会社に仕事を依頼したある地方都市の工芸品店は、日本の金融機関ではゼロ査定だった在庫を高い値段で担保評価してもらい、億単位の資金を調達しました。当然、工芸品店の社長は大喜び。その資金は人材育成や新規採用の人件費に当てられました。

 さらに、彼の会社には、閉店を決めた小売店が特別セールをする時の店舗運営ノウハウもあります。ここで明かすことはできませんが、アングロサクソンの発想とは思えないような、きめ細かい、日本人的な販売戦略で鮮やかに売りつくしてしまうのです。

 つまり、動産担保をむやみに買い叩かず適正に評価し、資金繰りを助け、いざとなったら高値で売れる販路も持っており、さらに先方が希望すれば閉店セールも効率よく実行してくれるということです。

 いつの間にか、米国資本の会社の方が、近江商人の「三方良し」的なビジネスモデルを操ることが得意になっているようです。


PR通信社 イーネット・ブレーン

その先を目指すコミュニケーション戦略
http://www.enb-inc.jp/

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