2009年11月7日土曜日

草食系男子は土に眠る?

週末の都会の本屋で、複数の女子が、ある雑誌を食い入るように立ち読みする姿を目撃しました。農業技術通信社の季刊誌『Agrizm』12月号です。表紙には、女性ファーマーのチャーミングな後姿の写真とドキッとするようなキャッチコピーが…

『地に足つけることって、こういうことなのか
輝け!土食系女子
肉食系に草食系、なんぼのもんじゃい!』

ページをめくると、子供の時に“突如オランダからやってきたメントス”を初めて口に入れた時のような衝撃が・・・

土食系女子とは、「土で食っている女子」、つまり農業を職業として選択して活躍している女性たちのことだそうです。肉食系の女子と草食系の男子が増加中だといわれている昨今、都会から農村に舞台を移して突然現れたように見える土食系女子。その実態は、女子力アップに磨きをかけつつも、きちんと地に足つけて生きている18名の女子でした。

前回のブログで「草食系企業」は時代の要請だなんていい加減なこと言いましたが、こうなると「土食系企業」の活躍が楽しみです。

でも、土食系企業ってどんな企業なんだ?
土食系企業は土食系女子が担うことになるのか?
草食系男子は「土食化」するのか?
それとも、もしかしたら肥やしにされてしまうのか?

2009年11月4日水曜日

地面の上と下

実家の小さな庭の手入れを手伝いました。スミレやシクラメン、その他鉢の植え替えなどなど。肥料は最小限に。作業をしていると、改めて根っこの生命力に驚かされます。身をよじるようにして蠢く根の間からはミミズがにょろり。いい仕事してます。

すべての植物は、太陽の光と水と酸素と根が心地よく伸ばせる土さえあれば、肥料は最小限でいい。米つくりの現場でも、「V字」ではなく「への字」がいいという言い方があって、年間で肥料を入れるタイミングと量が見直され始めています。植物は地面の上と下でバランスをとりながら、回りの環境と係わり合いながら生きるリズムを自ら作り上げていきます。地上の葉は、根の状態を現すシグナル。

これは、人間の日常生活に置き換えてイメージすれば、肉体と精神。経済活動では都会と地方といえるかもしれません。人間や経済にとって上下の環境とは何なのか。肥料とは何なのか。このあたりを見つめなおすと、新しい発見があるかもしれません。

これからの時代、会社の事業計画は、1年周期の植物の生育や、10年、50年周期の森林の生育をイメージして日々の作業にブレイクダウンするといいのかもしれません。「草食系男子」には少々不安を感じますが、「草食系企業」の根の強さは時代が要請しているような気がしてなりません。

2009年10月20日火曜日

リージョナリズム再々考

築地で話したKさんは、リージョナリズムを海外との関連でしっかりと考えながら、世界を冷静に見ている方でした。私にとって、大変示唆に富むものでした。社会的属性意識とリージョナリズムの関係、部分と全体、接触部分、地下茎。またお目にかかるまでに、ヒントを見つけるため地方に向かいたいと思います。

2009年10月15日木曜日

リージョナリズム再考

久しぶりに築地で打ち合わせがあって、帰り道に場外市場でお寿司を食べました。以前、バラエティー番組で、タレントの石ちゃんが美味しそうに食べていた鉄火丼。花びらのように木の器に盛られたマグロを半分ほど食べた時、「リージョナリズム」って何だ?と改めて考えました。直前まで、近くのオフィスビルの喫茶店で、リージョナリズム≒地域主義の可能性について新聞社勤めのKさんと意見交換していました。

地域主義とは、中央集権的に完全にコントロールされることなく、各地方の独自性や特徴を重視する考え方で、厳密には、ローカリズム(=おらが町が一番!)とリージョナリズム(=近隣の地域間で協力しよう!)に分かれています。つまり、リージョナリズムは開かれた地域主義と言い換えてもいいかもしれません。

現在、日本の中で語られる地域主義は、ローカリズムとして語られているようで不気味です。テレビのニュースで何度も放映された森田知事と前原大臣のやり取りは、おそらくPRのプロが仕込んだ台本があったのだと思いますが、今回の羽田空港と成田空港のどたばた劇は、「陳腐なローカリズム」と「国益」の対立軸として伝えられています。

森田知事のローカリズムが陳腐だと思ったのは、成田闘争の歴史も、周辺住民の気持ちも、千葉県民の利益も、どれにも配慮していない下手な演出だったからです。構成上の落としどころは、国益を優先しながら地域も尊重するというものでしたが、「地域主義の一形態であるリージョナリズムとは、本来もっと柔軟な考え方で、それを大臣は言いたかったんですね!」というせりふを、わかりやすく伝えるための工夫が足りなかったのです。大根役者としか言いようがありません。いや、ディレクターが悪い。

新聞メディアは、もっと悪い。このあたりもう少し、丁寧に面白く論説していただければ、リージョナリズムの可能性について、広く理解が進むきっかけになったのではないかと残念でなりません。
今後、大阪府や宮崎県の首長が面白い発言をした時には、見逃さずに読み解いてほしいと思いました。

さて、地域社会の文化や経済が、緩やかに関連付けされながら交流していた中世の日本は、健全なリージョナリズムを実現していたといっていいと思います。幕府による統制はあったものの、伝統的な工芸、郷土文化、自然資源、生産物など、地域社会の有形・無形の資源は、脈々と受け継がれながら交流していました。

これらの地域社会の資源が衰退してきたのは、対中央との需給バランスの関係が原因だと思われがちですが、むしろ地域間の関連が分断され、孤立化したことが大きく影響しているのだと思います。都会から地方への人の流れを期待して交通インフラを整備しても、逆に過疎が進むストロー化現象については、マニアックなフィールドワークで定評がある地域経済のアナリスト、藻谷さんの学生時代の卒論で既に立証されています。

だから、これからの時代の地域経済活性化策や町おこしは、地域間の関係性をすっ飛ばして、すぐ都会と関連付けしようとするせっかちな発想では成就しません。おらが町の地域資源の再発見や再構築だけでは、地域の現場に徒労感を募らせるだけ・・・。

一方、地方が持つ資源の価値に気が付いて、都会の人が地方に興味を持ったり移り住むことは愉快ですが、地方の魅力は、地方同士の連携や歴史的なつながりまで見据えないと、直ぐに飽きちゃいます。あまり気負わず、いろんな切り口で楽しむいい加減さが、地方を元気にするのだということ。そんな感性を持った応援団としての若者や賢い消費者が増えれば、日本経済の不況も克服できます。これ以外の処方箋は今のところ見当たりません。

鉄火丼を食べつつ、ぬる燗を注文しながら、タブロイド紙をめくると、面白い記事が目に飛び込んできました。「子供に見せたくない番組」に6年連続で選ばれた「ロンドンハーツ」でMCをしているお笑いコンビ、ロンドンブーツ1号2号の田村淳が、なんとNHKの「課外事業 ようこそ先輩」に先生役で登場するというのです。

彼が子供たちに出した宿題は、「地元の良さをアピールするバラエティー番組を作る」。いいセンスしてますねえ。果たして子供たちはリージョナリズムを具現化する感性を持っているのでしょうか。今後の日本経済を占う興味深い課題です。そして、入れ子構造となる、大人としてのNHKの制作者側の企画意図を読み解けば、さらに楽しめます。18日放送予定ですが、がっかりしたくないです。

お酒がなかなか出てこないので、思わずかばんの中に入れていた「日経ビジネス」10月12日号を取り出して、ある記事を読み返しました。このところ、地域経済を応援するための小口ファンドに関心を持つ個人投資家が増えて、さまざまな事業が試されています。「時事深層」で取り上げられた水木しげるロードで有名な境港を舞台にした「妖怪ファンド」。展開される事業が、リージョナルを意識して推進されれば、画期的な地域経済活性化の成功事例となると思います。

境港市がある鳥取県と接している岡山県の山間地、西粟倉村では、4月から「森林ファンド」の募集が続いています。西粟倉の森林事業が川下の町の資源と繋がったり、縁のある地域と繋がった時、薄暗い日本の林業全体に明るい陽射しが差し込むことになるでしょう。

一杯飲みながら、鉄火丼を平らげた後、さらにテリー伊藤の実家の玉子焼きをいただき、大江戸線の駅に向かいました。ビルの谷間からは、きれいな夕焼け空が見えました。

2009年10月3日土曜日

いやな予感・・・

民主党の評判が、ネット上で急激にダウンしているような気がします。原因は「開かれた記者会見」を目指すといっていた民主党の公約違反?

ネットジャーナリズムの記者を首相官邸の会見で締め出したことで怒り出す論客。宮台真司さん、上杉隆さん・・・。 いったいどうなっているのでしょうか。

ネットジャーナリズム軽視は、若者軽視を背景としていて、世代間の利害の対立をオブラートにくるむための方便かもしれないと、ふと考えました。鳩山政権は、意外と早く崩壊するのかもしれません。

経済も政治も一寸先は闇。

ノギャルプロジェクト収穫期へ

ギャルマーケティングを通して、「革命」を目指して活躍してきた、藤田志穂(ふじた・しほ)の新たな挑戦「ノギャルプロジェクト」。時節柄、いよいよ収穫期を迎えました。今年1年の集大成になるイベントとして、10月10日~12日に2段連続で行われます。

●10月10日
①秋田県大潟村で「ノギャルプロジェクト」の「シブヤ米」初出荷。
②その場でシブヤ米収穫祭および、EDWINと共同開発した“イケてる農作業着”を発表。
③ノギャル本、『ギャル農業』を発売。渋谷のギャルカルチャーが生んだ現代のフィールドワーク・ストーリーのなかに、若者の新しい胎動が見えてくる話題作。
著者:藤田志穂
出版社:中公新書ラクレ(中央公論新社刊、新書判) 
価格:735円(税込)
 
●10月12日
①藤田志穂率いるノギャルが渋谷をジャック。朝10時にマルキュー8階をスタートして5箇所を巡る!
②シブヤ米がドン・キホーテの渋谷店をはじめ、中目黒本店、新宿店、六本木店、平和島店、中野店、銀座本館、亀戸店、葛西店、ピカソ三軒茶屋店の10店舗にて独占店頭販売開始!!

2009年10月2日金曜日

月・人・石

少し埃っぽい書斎の書棚。『空の名前』という歳時記風気象図鑑の隣には、絵本の中で一番のお気に入り、『月・人・石』(福音館書店)が納まっています。

厳密には、この本は絵本ではありません。写真と詩と書のコラボ作品です。写真家の川島敏生さん、詩人の谷川俊太郎さん、書家の乾千恵さんが出会って、月刊絵本『こどものとも』(福音館書店)の562号として6年前に発行されました。

写真家の川島さんと私は、その昔、各地を旅したり、ミニコミ誌を発行していた時期があります。北海道紋別にふらりと出かけた時に、森の中で乾さんの書を川島さんが撮影して、ポストカードにしたことがきっかけで生まれたのが『月・人・石』です。

ページを開くと、まず、右側の写真と左側の書の対比がそのまま心に飛び込んできます。深呼吸してから一度目を閉じて、再び目を開けると、写真のキャプションのように添えられた谷川さんの言葉が、語りかけてくれるような、絶妙なレイアウトになっています。
取り上げられた書はすべて漢字一文字で、その数13。

扉 猫 風 音 馬 影 水 石 火 山 蟻 月 人

私は「火」が好きです。相模湖畔の美女川河口に住むオヤジさん、鉄っちゃんの敷地内で、延々と焚き火をさせてもらいながら、撮影現場に立ち会ったのは、ちょうど今と同じ季節だったような気がします。これ以外の撮影場所を私は知りません。川島さんには、いつか、秘密の(?)撮影場所を教えていただきたいなあと思いながら、6年の月日が流れました。
来週久しぶりに川島さんにお目に掛かりますが、ずっと想像し続けるのも捨てがたい楽しみかもしれません。

2009年9月30日水曜日

空の名前

4歳になる娘は、ついこないだまで、
「人魚姫になりたいなあ。」 と言っていました。ところが最近、
「人魚は自由に歩けないから、どこでも好きなところに飛んでいける鳥さんになりたい。」 と言うようになりました。

自ら自由に羽ばたいて空を飛べる鳥も捨てがたいのですが、私は、様々な気象条件の中で変幻自在に姿を変えながら、ゆっくり動く雲になってみたいです。海から陸に、河口の港から山間部へと、景色を俯瞰しながらただよって、身体が重くなってきたら、ザーッと雨になって大地にしみ込んでいきたい。その後は・・・。

この季節になると、必ず書棚から出して手にする本があります。
『空の名前』(光琳社出版)です。
空や天候や季節の移ろいに関係する言葉と共に、気象庁に勤務しながら風景写真を撮り続けてきた高橋健司氏の作品がたくさん載っている、歳時記風天気図鑑です。

「雲の章」のページをめくると、鰯雲(いわしぐも)、鱗雲(うろこぐも)、鯖雲(さばぐも)など、美味しそうで、爽快な写真が目に飛び込んできます。

マンションの屋上からは、秋の夕暮れ空に浮かぶ雲の下を、気持ちよさそうに飛ぶ鳥が見えました。

2009年9月16日水曜日

日本の農業の可能性

農業技術通信社の雑誌『農業経営者』の取材のため
琵琶湖湖畔に向かいました。
降りしきる雨は、昼過ぎには小降りに。
夕暮れ時には息を呑むほどに、空が、真っ赤に焼けました。

意外な分野に進出した、知る人ぞ知る湖畔の農業生産法人。
社長が定款に加えた新規事業は、これまでありそうでなかった
農業との相乗効果がばっちり期待できる画期的なものでした。

まだまだ見過ごしている。目を凝らして、汗かけば、見えてくる。
日本の農業はすばらしい。

10年分の勇気とエネルギーをいただいて帰路に着きました。

2009年9月9日水曜日

ねっと世代の政治意識

日経新聞の一面連載「政権」を
興味深く読んでいます。

巷の興味の関心は、以下のように推移していくと思います。

①選挙結果
②新政権の枠組み
③政策と生活
④政策と経済
⑤世代間格差問題
⑥若者の政治参加
⑦論客候補:森川友義(早大国際教養学部・進化政治学)

日経新聞のWEBサイト
http://www.nikkei.co.jp/

「日経ネットPLUS」
http://netplus.nikkei.co.jp/

政権 第2部 記者ノートから 「渋谷で見たネット世代の政治意識」(9月9日)
http://netplus.nikkei.co.jp/nikkei/news/seiken/sec2/sec090909.html

2009年8月28日金曜日

神去なあなあ日常

不覚にも体調を崩してしまいました。
生まれて初めての胃の激痛と嘔吐・・・。
40歳過ぎると、あまり無茶できないのかと
少し悔しい思いです。

点滴打って治まりましたが、仲間に仕事をドバッと渡して
2日間休むことになりました。健康管理の甘さに反省です。

そこで読み返したのが、
三浦しをんの『神去なあなあ日常』(徳間書店)です。
知る人ぞ知る、今話題の「青春林業小説」です。
都会の青年が高校を卒業した後、母親と担任教師が無断で
「緑の雇用」制度に応募。
彼は就職先として山奥に送り込まれることに・・・。
三重県の神去村での1年間を四季折々に振り返る内容です。

神去は“かむさる”と読みます。「なあなあ」とは神去村の方言で、
「ゆっくりいこう」という意味。
100年単位で森を育てるこの地方で生まれた、
超長期スパンの生活の知恵からうまれた言葉なのでしょう。

NHKの朝の連ドラ最後の聖地として「林業現場」が見てみたいものです。
主人公を女子高生にしたら、そのままヒロインをプロデュースできますね。
すでに民放でもドラマ化の話が進んでいるようですが、一旦頓挫しました。
早い者勝ち。どなたか、私と組みませんか?
私は当分の間、「なあなあ」というわけにはいきません。