2009年7月5日日曜日

景気循環とマーケティングの接点とは?

昨年来の世界経済の低迷は、最悪期を脱したとの見方が出始める一方で、本格的な景気回復にはまだ時間がかかるだろうという専門家の発言が大半を占めています。

V字回復ではなく、たぶん、だらだらしたL字回復なんだろうな・・・。

このだらだらさ加減の行く末が、多くの人をイラ付かせていることと思います。

各国の財政政策から、今日のお昼ご飯は何にしようかという、個人のお財布事情まで、大きな影響を与えているマクロ経済学の分野では、これまで様々な時間軸で景気循環を捉えようとしてきました。

●周期3~4年スパンの在庫調整による「キチンの波」
●周期8~10年スパンの設備投資による「ジュグラーの波」
●周期20年スパンの住宅需要による「クズネッツの波」
●周期50年スパンの技術革新による「コンドラチェフの波」

たとえば、サブプライムショックは、コンドラチェフの波の「谷」にあたるとの解釈も可能で、こうした様々な景気循環説はとても便利です。

意外な線グラフを眺めながら、景気循環と結び付けたアイディアもあります。

「太陽黒点説」。

太陽の黒点の数が増えると、地球に降り注ぐ電磁波が増加して、人間の精神活動を活性化させ、経済活動も活発となるもの・・・。
太陽の黒点の数の増減は、ほぼ10年おきに規則的な動きを示していますので、ジュグラーの波の遅行指数と見ることができるかもしれませんが、現在、まともに実証研究をしている研究者はいないようです。
20年前に栗本慎一郎さんがカッパブックスで、はしゃいでいたくらいでしょうか・・・。

人類史上、人間は、常に未来を予測しようと試み、文明を発達させてきました。物理学の世界では一定の時間が経過する中で、物質がどう変化するのか、その法則を見つけ出すことで未来を予測します。
一方、マクロ経済学でも同じで、いろんな尺度で規則性を確認しようと、天文学の知識を動員してまで、その解明に情熱を燃やしてきたわけです。経済統計学は、ありとあらゆる尺度をテーブルの上に乗せては、その最大公約数を実体経済に当てはめようとしてきた歴史ともいえます。

自然科学をお手本にして発展してきたともいえるマクロ経済。その統計の手法を操る専門家の方には、次のフェーズに進んで、我々に知見を与えてほしいと思います。

昨今の世界経済はIT化とグローバル化によって、大変革し、複雑化した。その中で、今後、いったい何が世界経済に影響を与えるのでしょうか。

特に金融の世界では、一部のマネーの動きが、世界全体に大きく影響を与える仕組みを制御できなくなっています。この現象は、一個人の社会に対するコミットメントが、あらゆる分野で強い影響力を持ち始めた兆しとして、歓迎して受け入れればいいのではないかと思います。

一企業、一市民の発言や、経済活動が、経済全体に影響を与える時代。この発想は、「インフルエンサーマーケティング」や「論争マーケティング」の世界では当たりまえです。

たとえば、雑誌『宣伝会議』や『販促会議』に、エコノミストやアナリストの方が連載記事を書くような試みがでてくると、最高にクールだと思いますが、いかがでしょうか。

PR通信社 イーネット・ブレーン

その先を目指すコミュニケーション戦略
http://www.enb-inc.jp/

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