2009年1月31日土曜日

国産材に乾杯(1)

伊勢神宮や明治神宮に木材を納めているSさんに会ってきました。
めったに入る事ができない明治神宮内拝殿で
「包丁初め俎板(まないた)開き」
http://wakabart.exblog.jp/2616418/

という儀式があったので 急遽お邪魔することに。

Sさんは儀式で使われるまな板の木を毎年奉納しています。
国産材は輸入材に比べて虫に強く、腐りにくく
空気の浄化作用もあるといわれています。
現在科学的な検証が進行中ですが、
びっくりするような結果が来月あたり出る見込みです・・・。
Sさんは伝統儀式に使われる高価な材木だけを
提供しているだけではありません。
一般向けの住宅を対象とした建築業も営んでいます。

木造住宅の建て方としてよく耳にする「在来軸組み工法」は、
金具や釘、斜に補強する筋交いを使います。
ところが“在来”とは名ばかりで、
戦後、大量生産の住宅産業向けに国が誘導した
いわば“簡易住宅”の工法。

一方Sさんがこだわる「伝統木構造」では
金具や釘、梁は使いません。
強度は鉄筋コンクリート造を上回り、
建築コストも2割抑えることができるため、
住宅だけでなく、幼稚園、工場など大きな建物にも通用する技術。
もっとも神社・仏閣にも使われてきた建築技術ですから
経験則として 丈夫なのは当たり前ですね。

こんな夢のような技術がなぜ見過ごされているのでしょう。
実は建築基準法がネックになっています。
戦後、住宅の大量生産を目指した国が作った
建築基準法では想定外の工法で、
建設の許可を出す役所の担当者がなかなか理解できないのです。
審査に時間がかかれば客もあきらめざるを得ません。
2年前の建築基準法改正の時に役所が混乱することで
着工件数が落ち込んで 「官製不況」ともいわれましたが、
国産材にこだわっている業者や消費者は
それ以上の不利益を戦後ずっとこうむってきたわけです。
なんともお粗末な状況に腹が立ってきます。(続く)

http://www.youtube.com/user/aoihasumi

PR通信社 イーネット・ブレーン
その先を目指すコミュニケーション戦略
http://www.enb-inc.jp/