球根の植え付けをしたいという母のリクエストにお応えして、今週末も実家に立ち寄りました。
小さな庭のプランターをひっくり返しながら鼻歌混じり。来年の春まで元気でね、それまでゆっくりお休みなさい、とコロンコロン。
作業を進めると、母から突然、新たなリクエストが。
「前から気になってたんだけど、庭の奥の切り株なんとかならんかねえ・・・もう何年も経ってるから根は弱っとると思うよ。」
赤いチューリップの植え付けが終わって庭の隅へ。 大きなシャベルを使って掘り始めると、これがなかなか手ごわい。切り株の周囲を掘り起こし、いざ穿り出そうとすると、根は土を持ち上げながら抵抗を繰り返しました。
こりゃちょうどいい運動だよと、やせ我慢をしていたものの、根っこの根性にはかないません。大汗でメガネも滑り落ち、やっとこさ堀り出した時には、胃がよじれるような疲労感が全身に広がりました。
後片付けは、また来週ということで・・・
開拓で入植した昔の人たちは、延々とこれを繰り返していたのでしょうか。石ころのない庭でさえ、まともな手入れができない現実に、しばらく立ち尽くしました。
先月、取材でお邪魔した豊橋の農家では、80歳を過ぎる親父さんが、畑の崖っぷちに石ころを積んで圃場の手入れをしていました。戦後、20ほどのあったという入植団の一員です。
親父さんは僕にこう言いました。
「今は世の中不景気で、会社員の人は大変みたいだね。若い人も仕事がないって言うし。農業やってて良かったよ。」
大地を開拓し、その後、市場開拓にも成功したこの一家は、日本一の赤シソの生産者でした。
PR通信社 イーネット・ブレーン
その先を目指すコミュニケーション戦略
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