●農水省技術畑トップは農政改革派
(社)農林水産先端技術産業振興センター(STAFF)の岩元睦夫理事長は、
徹底した現場主義と技術屋魂をもつ異色の存在である。
農林水産省の技術畑の第一線を走り続けきた「改革派」と称する関係者は多い。
そこで、つくば市にある農林水産先端技術研究所(STAFF研究所)で改めてお話を伺った。
穏やかな語り口調とは裏腹に熱い想いを秘めていた同氏の口からは、
意外な持論が飛び出してきた。
自らも研究開発に携わった経験から、気になってきたのは
「科学的じゃない」といわれて評価されてこなかった
民間技術の可能性だという。

<7月20日のセミナーで総括するSTAFF理事長 岩元睦夫氏>
「江戸時代後期の幕臣で明治初期の官僚で啓蒙思想家の西周(にしあまね)は、
Scienceを『百科の学術』と訳しましたが、
これがいつのまにか短縮されて『百』が抜け落ちて『科学』となりました。
現代以降の日本では
『科』という漢字のもつ『細かく分ける』という意味だけが強調されて、
要素還元的な分析結果がない技術を
未熟な技術だと切り捨ててきた可能性があります。」
哲学的なナレッジで少々難解だが、
特に農業生産などの現場で培われた感覚知による
経験則的な新技術の可能性に注目しているようである。
「実証実験のための資金が乏しい発明家や中小企業の
優れた技術の可能性をもっと引き出していきたい」という言葉からは、
意外にも親しみやすい中小・ベンチャー企業の味方という印象が強い。
自ら理事長を務める(社)農林水産先端技術産業振興センター(STAFF)は、
イノベーションに向け、つくばにある研究所を活用した
産学官共同研究をコーディネートし、
「研究のための研究」ではなく
「地に足ついた技術によって産業振興」を目指した組織改編中である。
STAFFの周辺には今後、日本中の中小ベンチャー企業の底力が集まり
復興計画に大きな影響を与えていくだろう。 (つづく)
Profile
福岡県小倉生まれ鹿児島育ち。
1966年九州大学農学部卒。
農林水産省食品流通局技術室長、
東北農政局次長、
東海農政局長、
農林水産技術会議事務局長、
(独)国際農林水産業研究センター理事長などを歴任し、
2003年より現職。
(社)日本フードスペシャリスト協会会長、
国際稲研究所(IRRI)理事、
国際トウモロコシ・小麦改良センター(CIMMYT)理事、
国際近赤外分光学会フェロー。
専門分野は食品工学、
近赤外分光学。
農学博士。
PR通信社 イーネット・ブレーン
その先を目指すコミュニケーション戦略
http://www.enb-inc.jp/

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