2009年4月30日木曜日

岡山県西粟倉村、いってきました

岡山県の西粟倉村に行ってきました。
「西粟倉村共有の森ファンド2009」の現地説明会です。
参加者の中には、東京から駆けつけた人もいて、
想像以上に関心の高い様子が伺い知れました。

集合場所となったローカル線の智頭急行「大原駅」の前では、傘を片手に20名以上の人が集まっていました。

しょうしょうと小雨が降りしきる中、清流の脇には、大阪から移住した家具デザイナーが建てたモデルハウスも完成していました。金物を一切使わない工法で、2階建て35坪で2000万円。全て地元の木材を使っています。オーナー自ら、庭先には露天風呂を作っていましたが、近くには、温泉が2箇所もあって、観光地としても穴場的な興味深い村です。

補助席も一杯になったマイクロバスでは、村長自ら林業再生にかける意気込みを語っていました。投資家と言うよりも、村のファンを作る感覚です。マスコミ関係者は、ローカルテレビ局一社と、日経新聞・証券部の若手記者が参加。日経では個人投資家の新たな投資商品のひとつとして、近く、特集記事を展開すると言っていました。

いよいよ動き出しそうな気配です。

林業の運営母体となるトビムシの竹本社長によると、一口5万円で、およそ1億円を集める計画とのこと。資金は、主に最新鋭の「ハーベスタ(収穫機)」購入資金に当てられます。ハーベスタとは、木を切り出して、枝打ち、カッティングまで、コンピュータ制御でできるキャタピラ付きロボットです。大型ユンボの先に特殊な装置が取り付けられています。機械化が遅れている日本の林業にはなくてはならない、最低限のインフラです。

たしか、以前に、船井総研の二代目と長野県の木材店が共同で、急斜面でも使え、小回りがきく林業ロボットを、ポケットマネーで開発しようとしたことがあると聞いたことがあります。今後は、日立建機など、専門メーカーが本気で取り組んで、あっと驚くようなロボットを開発してもらいたいなあと思いました。

京都銀行頭取の柏原康夫氏は、昨年7月に「日本の森を守る地方銀行有志の会」を立ち上げ、全国の地銀に呼びかけています。現在、参加行は、64行中で56行と、大きな広がりを見せています。今年12月には京都で各地銀の頭取が一堂に集まってサミットを開く予定です。ヒト、モノ、金の、新たな流れができれば、意外と早く、林業再生は実現するかもしれません。

国土の3分の2を森林が占める日本では、安い輸入材に押されて衰退した過去の産業だと、勝手に敗北主義に陥って、森林は放置されてきました。林業はそもそも、先進国で盛んな産業です。ドイツでは林業関連の雇用は100万人規模。日本の自動車産業に匹敵する規模です。トヨタの林業への取り組みは、CSRという位置付けに留まっていますが、今後、本格的な事業化が待ち望まれます。

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その先を目指すコミュニケーション戦略
http://www.enb-inc.jp/

2009年4月24日金曜日

いざ、岡山県西粟倉村へ

明日は、楽しみにしていた岡山県・西粟倉村への小旅行です。
道のりを考えると、充分“大旅行”です。
http://www.amita-net.co.jp/info/amita-now-20090408-000746.html

でも、家の近くのスーパーにバナナを買いにいくような気分で
ふらりと出かけたい・・・

以前、都内でサラリーマンをしていたときに、
神奈川・県津久井郡・相模湖の湖畔で暮らしていたことがあります。

毎日繰り替えされる通勤の行き帰りを、小旅行にすることで非日常化する。そして、少しのアルコールと本をザックに詰めて週末の単独登山行を毎週繰返す生活を日常化する。 こうした日常と非日常の逆転が、自分の精神を再生してくれる唯一の方法論でした。

さて、明日の朝出発することになった西粟倉村には、ウエブカメラが備え付けられていて、村の公式ホームページから24時間アクセスできる仕掛けがあります。
http://ns.vill.nishiawakura.okayama.jp/

もともと、訪れる観光客などが積雪の状況を確認するために備え付けられたようですが、実は、現在、日本全国の山村に高感度ウエブカメラを備え付け、新たなエンターテイメントのポータルサイトを開設する準備を進めています。 カメラ設置場所は、最終的には、1000箇所を目指したいと考えています。

アクセスするユーザーは、各地のランドスケープはもちろん、一本の杉の木や、畑のナスの花など、四季折々・24時間リアルタイムの映像を閲覧しつつ、データベースに溜め込まれた過去のデータをクリックひとつで早送りしたり、巻き戻したり、スロー再生したり、加工したり・・・。そんなシステムを開発するプロジェクトです。

NKHが莫大な資金をつぎ込んで制作しているような、ネイチャー系のドキュメンタリー映像を、市民が自由にカスタマイズして楽しみ、都会と地方都市の新たな関係性を築き上げ、新たな農商工連携ビジネスを構築することが目的です。

膨大なデータベースの管理は、グリッドコンピューティングというIT技術をもつベンチャー企業に応援してもらいことにしています。地方自治体や、農業生産法人、森林組合の方たちとの交流を深めながら、3年以内に事業化したなあ。

今夜は、小学生の頃、遠足の前の日に興奮して眠れなかった日と同じような一夜を過ごすことになりそうです。

(5月6日放送予定のNHKスペシャルで西粟倉村が登場するそうです。)

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2009年4月23日木曜日

急ですがセミナーの知らせ

コンセプトデザイン研究所の廣川州伸さんの講演が突然、、決まりました。

ホントに急・・・。



こんなに急でも人が集まるんだからすごいなあ。



概要は以下の通りです。取り急ぎ、ご参考まで。



4月28日(火) 廣川州伸氏ミニ講演会 +交流会
「ゾウを倒すアリになれ!」        

~今すぐできる、仕事力を高めるとっておきの方法~

<会場>
東京都渋谷区恵比寿1-22-20恵比寿幸和ビル7F 
セミナールーム・セブン
http://www.stylement.co.jp/seven/access/index.html

<会費>
8000円(交流会参加費含む)

<講演>
18:30~19:30

<交流会>
19:30~21:00

<参加者>
20代~30代半ばのビジネスパーソンやベンチャー経営者等

<主催>
- Professional Partners Inc -
プロフェッショナルパートナーズ株式会社
担当:永峯 崇 《 Takashi Nagamine 》
Mail :nagamine@propartners.co.jp
Tel:03-5332-5322   Fax:03-5332-5323
URL :http://propartners.co.jp/

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2009年4月19日日曜日

諦めるわけにはいかない

まるで初夏のような陽気を浴びながら、横浜にある緑地帯で、ここ数十年あまり見かけなくなってしまった「和タンポポ」の群生地を発見しました。

「和タンポポ」は別名、「関東タンポポ」とも呼ばれていますが、現在、道端で見かけるほとんどのタンポポは「西洋タンポポ」です。


見分け方は簡単です。


「西洋タンポポ」は花の下にある萼(がく)がめくれてカールしていますが、 「和タンポポ」はぴったり花びらに寄り添っています。

「和タンポポ」の周りで、キャッキャと声を上げて走り回る幼い兄妹。実は一ヶ月ぶりに僕の子供たちと遊びました。赤と緑の補色関係に塗り分けられた滑り台と、小さな砂場、ロープにぶら下がってターザンごっこができる遊具もあります。今日も横浜のランドマークタワーが少し霞んで見えました。 素敵な丘陵地帯です。

隆起した芝の真ん中あたりにある小さな窪みでは、土鳩に混ざって、茶褐色の模様の羽を持つ山鳩が日向ぼっこしていました。見上げると、梢の間からは、スズメ、ホウジロ、ウグイスも気持ちよさそうに縄張りを主張していました。

長男は今年で6歳、娘は4歳になりますが、
わけあって、今はママと一緒に生活しています。

夕焼け小焼けで陽が傾いて、少し肌寒くなって。
帰り際、娘が僕の耳元で小さな声で囁きました。

「私は鳥さんなの。だからお話できないの。心の中でお話しするの。」

「そうかあ。うん、うん、聞こえるよ。
でも小さな声だからちょっと聞こえにくいなあ。
なんていってるんだろう。」

「えーっとねえ・・・明日も来てね。」

娘は急いでマンションの階段を駆け上がると、踊り場でつまずきました。
はっとしましたが、娘は振り返らず、ドアを開ける音だけが聞こえました。

子供たちの身近な環境も、日本の国土を覆っている、本当は豊かなはずの環境も、 同時進行で、なんとか諦めずに、できることをしなければと、そう考えました。



穏やかで切ない一日に感謝。




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2009年4月14日火曜日

林業再生に必用なこと

4月13日(月)、東京・六本木で第三回「日本に健全な森をつくり直す委員会」が開かれました。


昨年結成されたばかりのこの委員会は、森と川と海のつながりを取り戻そうと各地で社会実験を展開しているアウトドアライター、天野礼子さんが事務局長を勤めています。

(←初めてお話しましたが、てきぱきしていて、気配り上手で、やさしいお姉さんと言う感じでした)




http://www.the-journal.jp/contents/amano/2008/11/post_67.html


委員長の解剖学者・養老孟司(東大名誉教授)さんをはじめ、C.W.二コルさん、立松和平さんなど著名人のほか、研究者や林業関連の現場のトップランナーが顔をそろえています。


会場には民主党の菅直人(民主党代表代行)さんも駆けつけ、参加者による意見交換も。菅さんには政治生命をかけて林業再生について取り組んでいただきたいと思いました。


林業再生を実現するためには、まず文化的アプローチ、経済的アプローチを先行させて結果を出し、政治家が関わりたくなる状況を作る必用があります。多分ここ1年が正念場。


参加された新聞の論説委員の方々やテレビ番組のプロデューサーの方には、是非報道ベースに乗せていただき、日経新聞は経済的可能性を徹底的に論証しながら取材してほしいと思いました。


夜の懇親会では、日本の林業の理論的な柱となる梶山恵司さん(富士通総研)のプレ出版記念パーティーも開かれました。GW明けには発行の見通しとのこと。2年越しの労作。ベストセラーを祈念いたします。


梶山さんは経済同友会の森林ワーキング・グループで大活躍し「森林再生とバイオマスエネルギー利用促進のための21世紀グリーンプラン」(2003年)の取りまとめにも関わった若手研究者です。
昨年、テレビ番組で林業を特集した際には専門家のインタビューとして取材のご協力をいただきました。
ドキュメンタリー番組として再度企画したい。
僕自身の構想も一歩進めていきます。